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{{header r11_st}}
このページは[[Remember11考察]]の一部です。全体像は[[Remember11考察]]をご覧ください。

{{toc}}

!テクニック
[[テキスト置き場 - Little Wonder|http://shizuoka.cool.ne.jp/littlewonder/text.html]]で基本的なシナリオのテクニックが解説されています。このうち、伏線{{fn 複線になってるのはご愛嬌}}、ミスディレクト、レッドヘリングについては、Remember11を読み解くうえで非常に重要なので、ぜひ、読んでおきましょう。
!絞り込み
Remember11はEver17と違い、かなり、考察が難しい部分があります。というのも、Ever17では単発の仮説で答えに辿り着く場合が多いのに対し、Remember11では答えに辿り着けないことが多いからです。比較的確実そうな仮説であっても、積み重ねれば、あっという間に荒唐無稽な珍説に成り下がります。それ故、ランクB以上、できれば、ランクA以上の考察を目指すのであれば、どうしても、個々の考察の蓋然性を極めて高いレベルにする必要があります。その詳細は、[[論理的間違いの実例part4]]をご覧ください。

Remember11では、作者の意図を読み取るのには、単一の伏線だけでは困難です。何故なら、伏線から読み取れる内容に不確定要素が多々含まれていることが多いからです。その結果、単一の伏線では、作者の意図を確定的に推論することができず、様々な可能性が混在したままです。このような状況で作者の本当の意図を読み取るには、下図の通り、伏線が複数必要です。そして、他の多くの描写から見て、作者はそれを分かっています。正解を伝えるにしろ、勘違いを誘っているにしろ、作者の意図通りの理解をさせたいなら、そうした伏線を張るはずです。

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もし、単一の伏線だけから作者の意図を読み取ろうとするとどうなるでしょうか。たとえば、図中の「伏線1」だけを採用し、他の伏線に頼らずに作者の意図を確定推論したとしましょう。しかし、そのやり方では、可能性を「伏線1」の円の内部に限定することは作品中の描写を元にしていても、その中のどの部分を採用するかは作品中の描写に依存していません。つまり、推論を確定するために必要な決定的情報を想像に頼っています。よって、このような推論では、作品中の描写を元にしたとは言えず、考察者による想像でしかありません。
!関連商品はあてになるか?
[[メモリーズオフの関連商品にも本編と明らかに矛盾する記述|メモリーズオフ〜それから〜飛田扉考察]]が見られました。メモリーズオフにも謎らしき物は存在しますが、それらは人間関係に関する物であって技術的な謎ではありません。そんなメモリーズオフでも誤った記述が生じるのだから、R11なら尚更間違いはあるでしょう。R11はかなり難解です。スタッフでも中澤氏と打越氏しか内容を理解していないかも知れません。中澤氏と打越氏が直接書いた解説書ならいざ知らず、「協力」程度であるなら矛盾が多々あっても不思議はありません。
!御都合主義?
Remember11には、[[デウス・エクス・マキナ|Wikipedia:デウス・エクス・マキナ]]の手法が使われています。それって反則じゃない?・・・と思うでしょうが、一定の条件を満たしていれば、反則にはなりません。その条件とは、物語の解決手段に用いないことです。主人公の目的が山小屋サイドの人達の救出にあるとすると、[[デウス・エクス・マキナ|Wikipedia:デウス・エクス・マキナ]]によって、問題は何も解決していません。よって、Remember11の場合は、反則ではないし、興ざめでもありません。

'''工エェ(´Д`)ェエ工'''と思った貴方、実は、前作だって、真の主人公の正体が明かされる所は[[デウス・エクス・マキナ|Wikipedia:デウス・エクス・マキナ]]です。そして、その後も問題は解決しておらず、[[デウス・エクス・マキナ|Wikipedia:デウス・エクス・マキナ]]によって明らかになったことを元に、問題解決に乗り出したという点では、今作と全く変わりません。だから、前作が興ざめでないなら、今作だって興ざめでないはずなのです。

たしかに、前作と今作では、次のような違いがあります。

*前作では真相が段階的に明らかになったが、今作では予告もなしに突然答え合わせになった
*前作の設定はフィクションとしてなら受け入れ易いが、今作の設定はフィクションとしても受け入れ難い

前作では、真の主人公の存在、そして、それが人類を超越した存在であることを匂わせながら、情報を小出しにして、徐々に、正体が明らかになります。その過程が非常に気持ちよかったのは間違いないでしょう。しかし、今作では、唐突に装置が登場します。その展開が、あまりに突然すぎて、( ゚д゚)ポカーンとなった人も多いでしょう。

前作の主人公の正体は、フィクションとしてなら納得できる物でしょう。何故なら、人類ではない未知の存在なのだから、想像次第で何でもありだからです。一方で、今作の装置は、到底、受け入れ難い。これが、遠未来の発明だったり、技術の進んだ異星人がもたらした技術だった等なら納得できるけれど、人類単独の発明として近未来に登場するのは、常識的に考えて無理があります。

そうした状況で途中の展開を受け入れられないまま、エンディングを迎えたために、前作のように謎が綺麗に収束していないように見えるのです。しかし、よく考えてみると大した謎は残っていません。先に述べた通り、主要部分のシナリオの展開手法は前作と全く同じです。また、最後に少し謎が残る{{fn 生体反応、闇鬼等}}ことも前作と変わらないため、展開手法は前作と180度評価が変わる理由となりません。

残された謎のうち、主要な物は次の通りでしょう。

*涼蔭穂鳥は除け者ですか?
*サトル編の主人公は誰?
*犬伏景子は何しようとしてる?
*殺人鬼の正体は誰だったんだ?

ハッキリ言えば、最も重要な謎は涼蔭穂鳥の安否であり、それ以外は、どうでも良いことです。・・・'''(゚Д゚)ハァ?'''と思った貴方!主人公の由来って、そんなに重要ですか?主人公の簡単な自己紹介で始まる物語は多々あるけれど、「それじゃ良く分らんだろう」と文句を言いますか?冬川こころの初登場時、「お前は、一体誰なんだ」と思いましたか?優希堂悟の初登場時、「お前は、一体誰なんだ」と思いましたか?そこは、普通、そういう設定なんだなあ・・・と軽く流す所です。ということで、サトル編の主人公についても、優希堂悟とは別の誰かなんだなあ・・・と軽く流してください。・・・'''流せない?'''・・・どうしても気になるなら、調べればすぐ分かるから、ご自由に追求してください。

犬伏景子に今後の行動についても、自由な思考を妨げる情報が一切無いため、各自が自由に想像すれば良いはずです。ということで、こうして見てみると、涼蔭穂鳥の安否以外でRemember11の残された謎は、Ever17の生体反応の謎等と同レベルに過ぎないようです。ということで、最後のまとめ方は前作とドッコイドッコイですね(笑)

'''工エェ(´Д`)ェエ工'''・・・スットコドッコイじゃないの?
!作者からのメッセージ
!!定説と真相
[[中澤氏自身の言葉|http://web.archive.org/web/20050420175123/http://ds-net.info/nicky/nicky200405.html#20040527A]]を引用します。

""#有名な例の考察サイトもそうですが、考察系サイトの皆さん、掛け値なしにスゴイと感じます。(そして、感謝!){{br}}
""#つまりは、そこまでに至る方はごく少数という事実が現実であり、(''どんな事情があれ'')それが結果であり、作り手としては真摯に受け止め次回に活かさねばならぬ、と改めて痛感する今日この頃です。{{br}}
""#そういう意味で、ユーザーを楽しませることが完全に出来なくなったとき、僕はゲーム作りの第一線から退かねばならないなぁと思えるのです。{{br}}
""……と書いた数日後、読み返して誤解を招きそうな文章だったことに遅まきながら気づきました。(汗{{br}}
""軽率でした。もしこれを見て気分を害した方がいらっしゃったとしたら、申し訳なかったです。m(__)m{{br}}
""消すべきか残すべきか迷いましたが、自分に対する戒め等の意味もあって、あえてこのような形で残すことにしました。ご理解ご容赦ください。

「有名な例の考察サイト」が何処を指しているかは明らかなので敢えて言いませんが、「スゴイ」とは、ズバリ正解を言い当てたという意味なのか、予想もしなかった「スゴイ」答えという意味なのか、明言されていません。
そして、そのどちらであっても、この文章は意味が通ります。
だから、「そこまでに至る」の「そこ」が正解を意味するのか、それとも、自分なりに納得できる答えなのかも、ハッキリしません。

少し気になるのは「どんな事情があれ」との記述です。
通常、このような言い方をするのは、'''何らかの止むに止まれぬ事情があって不本意な出来とならざるを得なかった'''場合です。
だとすると、不本意な出来で答えを示せなかったにもかかわらず、ユーザーの自己努力で自分なりに納得できる答えを見つけたことを「掛け値なしにスゴイ」と言ってるのかも知れません。
だとすると、答え合わせをしたくても出来ない(答えがない)というのが中澤氏の本音なのかもしれません。

一方で、[[世間の定説|http://act.st/text/game/r11-3.htm]]は次のようになっています。

""鋼「お客にとって、謎解決のカタルシスは必要です!{{br}}
""   (延期になるけど)作らせてください!」 {{br}}
""中澤「考察に必要な要素はそろってる。詳しい説明は必要ない。{{br}}
""    そのほうがロマンチックだから」

//もし、これが事実なら、中澤氏は、とんでもない冒険家です。
//何故なら、'''消費者も巻き込んで成功するかどうかも分からない実験'''を商業的作品で故意に行なったことになるのだから。
//成功するか失敗するか分からない実験なら、実施する方が金を払うべきでしょう。
//失敗した時に消費者が損害を被るようなやり方での実験など、消費者の共感を得られるはずがありません、堅実な会社なら、そのような冒険は絶対に認めないでしょう。
//もし、会社に無断で冒険をしたなら、社員の統率が全く取れていない(中澤氏は、当時、キッドの社員だったはず)ことになります。
//中澤氏だって、そんなことが分からないとは、とても思えません。
//初めてゲーム作りを任されたならともかく、それなりの'''実績のある中堅社員'''が、そのような無謀な冒険をするでしょうか。
//いずれにしろ、キッドが数々の名作を生み出した会社であることを考えると、そうした解釈には無理があるように思われます。
//
実は、これは、中澤氏と打越氏の次のようなコメントが元になって広まった噂です。

*完成度について、打越氏が自信なさそうなコメントを残しているのに、中澤氏が一言も触れていない
*打越氏が中澤氏との(双方の仕事のこだわりによる)激しい軋轢を指摘している

そして、このコメントが次のように解釈されてしまったわけです。

*中澤氏は発売状態で完成していると認識しているが、打越氏は未完成と認識している(これが両者のコメントの差になっている)
*打越氏は未完成問題について自分のせいではないと言い訳した
//
//だとすると、打越氏は、凄く女々しい言い訳をしていることになります。
//たとえ、どんな理由があるにせよ、シナリオライターとして名を連ねているのに、完成度の低さを一方的に'''監督のせい'''にしているのですから。
//監督を納得させるようなシナリオを描けば良いのであって、それが出来ないのはシナリオライターとしての力量の問題でもあるはずです。
//これも、ちょっと、あり得ないような気がします。
//だって、他のスタッフも見るわけですよね。
//そこに責任転嫁的な文章を掲載するのは、他のスタッフ(主に中澤氏)に'''喧嘩売ってるようなもの'''じゃないですか。
//それでは、あまりに大人げない。

ところが、[[Infinity plusのPremium Bookのインタビュー記事|Remember11考察 各種資料]]では次のようになっています。

""−『Remember11』は前2作に比べてストーリーが難解で、考察する楽しみが色濃く出ているように感じました。{{br}}
""中澤 あまり''意図したつもりはありません''。あくまでも''結果的にそうなってしまった''、という感じです。

これを読むと、やはり、何らかの「事情」によって「結果的にそうなってしまった」ことは間違いないようです。
そして、「(''どんな事情があれ'')それが結果であり、作り手としては真摯に受け止め次回に活かさねばならぬ」と言われているように、
その「事情」を中澤氏は不本意に感じていることは間違いないと思われます。
つまり、中澤氏は、暴走をしたわけでも、無謀な冒険をしたわけでもない。
ただ、「事情」があって、不本意なまま発売せざるを得なかっただけです。

きっと、作業が遅れて締め切りを大幅に過ぎたので、突貫工事で何とか商品として出せる形に仕上げたのでしょう。
創作の世界では締め切りとの闘いは良く聞く話です。
例えば、作家の[[井上ひさし|Wikipedia:井上ひさし]]氏の舞台公演を中止に追い込むほどの超遅筆は有名です。
そのほか、[[某週刊漫画誌|Wikipedia:週刊少年ジャンプ]]で[[某漫画家|Wikipedia:冨樫義博]]の連載漫画が頻繁に下書きのまま掲載されていたのは、今や、生きる伝説となっています。
これほど極端な事例は少ないにしろ、締め切りに追われて大変という話は良く聞きます。

当初、3編予定されていたシナリオが間に合わず、セルフ編(隠しテキストにその名がある)を削って、無理矢理、ココロ編とサトル編の2編でまとめ上げたのではないかと思われます。
たとえ、そのような状況であったとしても監督として言い訳にはならない、完成度は100%で当り前と思っているから、中澤氏は完成度に言及しなかったのだと思われます。
また、完成度が低いと言えば、打越氏個人を責めることになるから、敢えて、それをしなかったのでしょう。
'''男だぜ、中澤!'''(敢えて敬称略)
一方で、完成度を求めた打越氏は、スケジュール的な妥協をした中澤氏と「激しい軋轢」が生じ、その結果として、完成度に自信が持てないと言っているわけです。
そして、「どちらが正しいとか、正しくないとかそういう問題ではありません」と言っているように、中澤氏が一方的に悪いと言っているのではなく、スタッフ全体の責任として完成度に自信を持てない作品を送り出したことについて'''ファンに謝意を表した'''のではないかと思います。
(というか、以上が事実なら、スケジュールを守れなかった打越氏が一方的に悪いのでは?)

事実、打越氏は、[[12RIVENでも遅筆による発売延期|http://www.mechb.net/archives/50515370.html]]をやらかしてしまっています。
しかも、[[数ヶ月も缶詰状態で作業していた|http://www.kid-game.jp/12r/etc/etc.html#070625]]にもかかわらずです。
//http://web.archive.org/web/20080205120559/http://www.kid-game.jp/12r/etc/etc.html
いや、数ヶ月も缶詰状態にされたのは、遅筆の前歴があるからではないでしょうか。
当初、ブログでは、[[クオリティーアップのための延期|http://www.mechb.net/archives/50514066.html]]だ、シナリオは既に出来上がっていると言っていました。
しかし、しばらくブログの更新がなく、10月4日の更新の折りにシナリオ完成の旨が書かれていたので、おそらく、その直前にシナリオが完成したのだろうとは思っていました。
それなら、12月の発売予定には間に合わない(1〜2ヶ月くらい前にマスターアップが必要らしい)のではないか、延期の原因は遅筆じゃないのかと思っていたら、案の定、その通りでした。ということで、'''Remember11があのような内容になったのは、全て、打越氏の遅筆のせい'''ではないかと疑われます。

TIPSとかムービー(従来作品は本編の絵の拡大縮小回転、実写映像、建物の3DCD等、使い回しの効く映像の再利用のみだが、Remember11では手間のかかる手描きアニメが多用されている。)とかオマケボイスとかがやたらこってたり、
隠しデータが多々埋め込まれていたり、パッケージでも「目や口のアニメーションはもちろん、寒い空間では白い息を吐き〜」等やたらシステム面での改良を強調しているし、シナリオの遅れから'''手の空いた人達の労力'''がそういった方面につぎ込まれたのではないかと思われます。

以上の推測が当たっていると仮定すると、「考察系サイトの皆さん、掛け値なしにスゴイと感じます」との言葉もうなずけます。
「スゴイ」と言われていることは、本来、未完成と非難されても仕方ない出来の作品なのに、'''ファンの独力での考察を見いだして作品を完成形にした'''ことでしょう。
作者が作るべき部分をファンが補完しちゃったんだから、それは「掛け値なしにスゴイ」と言われるのも当然でしょう。
!!作品の完成度
[[Infinity plusのPremium Bookのインタビュー記事|Remember11考察 各種資料]]には次のように書かれています。

*“アイツ”=プレイヤーと解釈できるようにしてあるが、そうとは限らない(曖昧な言い回しでハッキリしない)
*優希堂沙也香は文字通り死んでいて、殺したのは優希堂悟
*プレイヤーが選んだ選択肢のせいで優希堂悟が優希堂沙也香を殺すという描写はお蔵入りになった
*優希堂悟は沙也香殺害を“アイツ”に操られたせいだと解釈した
*Remember11は終わりの無い“アイツ”=神への復讐の物語
//*穂鳥とゆにの役割は当初逆だったが、収まりが悪くて入れ替えた

優希堂悟が妹を殺したという描写は本編に全くありませし、「“アイツ”=プレイヤーと解釈できるようにしてある」と言うためには、お蔵入りになった描写は必須でしょう。
核心部分の描写が決定的に欠けているのであれば、やはり、先の推測通り、Remember11は未完成作品でしょう。
このインタビュー記事で補足されても、まだ、全容は見えて来ないので、パズルが完全に埋まる見込みはないのかも知れません。
そして、どの考察サイトにも、このインタビュー記事に一致する考察はありません。