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古今東西のアニメにしろゲームにしろ、テーマ曲は次の二つに大別できます。

*シナリオや設定と関係ある内容だけどダサイ
*シナリオや設定と関係ないけどカッコイイ

しかし、志倉千代丸氏の作るテーマ曲は別格です。

*シナリオや設定と関係あって、かつ、カッコイイ

以下に、志倉千代丸氏のマジックの素晴らしさを説明します。
!過去のマジック
!!Ever17オープニング「LeMU〜遙かなるレムリア大陸〜」
志倉千代丸氏のこれまでの最高傑作はこれでしょう。海底の施設に閉じこめられた状況、その緊迫感、時を超えた謎の存在等、本当にゲームの内容に良く一致しています。
!!Ever17エンディング「Aqua Stripe」
茜ヶ崎空の声優さんが唄うエンディングは、ゲーム中の描写とは直接関係ありません。
しかし、もし、茜ヶ崎空が妄想にふけるとしたら、まさに、この歌のとおりの内容ではないかと思います。
茜ヶ崎空の想いを忠実に再現したという点で、プレイした人間は凄く共感できるでしょう。
茜ヶ崎空の正体を知れば、この歌の持つ遊び心も良く分かるはずです。
!!Remember11エンディング「Darkness of chaos」
楠田ゆに役の声優さんが唄っていますが、実は、黛鈴の心境にピッタリ一致する歌です。
では、何故、黛鈴役の声優さんが唄わないのかと言えば、そこには様々な大人の事情があるのでしょう。
黛鈴は、一見すると冷たく傲慢で自信に満ちあふれているように見えますが、本当は非常に弱いデリケートな性格であることがゲーム中にほんの少しだけ垣間見えます。
その彼女の内心を見事に歌い上げた素晴らしい名曲です。
!!メモリーズオフ2ndエンディング「オルゴールとピアノと」
メインヒロインである白河ほたるの心境を歌にしています。
!!メモリーズオフ2nd外伝〜雪蛍〜エンディング「遠いこの空から」
同じく、メインヒロインである白河ほたるの心境ですが、これは、留学先での気持ちを歌っているようです。その他にも、素晴らしい歌は多々あります。
!メモリーズオフ#5〜途切れたフィルム〜のテーマ

 美海「どうしてそんな夢みたいな歌を書けるっていうんですか?」

!!オープニング「ORANGE」
この歌の主語は誰でしょうか。常識的に考えれば、主人公=河合春人でしょう。とすると、

""誰より誰よりその声を探した

この「その声」とは、親友の日名雄介の声であると思われます。そして、

""光の調べがあの日へ誘うから

""今風に吹かれたら、あの日のままの匂いがした

これらの「あの日」とは、日名雄介の生きている頃のことであり、SF物語ではないのだから、これらの記述は回想と考えられます。
ここまで前置きを済ませて、いざ、核心部分へ。

""夢と現実のラインを超えてレールは続くよ{{br}}
""あの約束なら今叶えられる{{br}}
""それはあまりに突然すぎた幻

「約束」が叶えられるのは「突然すぎた幻」だったということは、「夢と現実のライン」の「夢」とは、将来の希望{{fn 例:「映画は、ガキの頃からのオレの夢だ」}}ではなく寝ているときに見る夢の類だと考えられます。
次の部分の「夢」も同様でしょう。

""途切れたフィルムならその先を夢につなごう

このことから、次の部分は、現実逃避を示唆していると推測できます。

""居心地のいい空を探した

以上のことから、この歌は、主人公が親友のことが忘れられず現実逃避をする内容と解釈できます。
つまり、これは、物語が始まる前の主人公の状況そのものです。
!!エンディング「ロマンシングストーリー」
オープニングは非常に後ろ向きでした。では、エンディングはどうでしょうか。

""Again Again 傷ついて開く鍵もあるから{{br}}
""不器用でもいい、下手な言葉でもいい

不器用さ等で傷つくことを恐れないのだから、前向きな姿勢がうかがえます。

""ロマンシングストーリー 途切れたフィルムが今{{br}}
""ロマンシングストーリー 静かに回り出す{{br}}
""ロマンシングストーリー それが少しの勇気でも想い続ければ願いは叶う

オープニングでは「途切れたフィルム」の先を「夢」=「幻」につないでいたわけですが、エンディングでは現実に回し始めています。
そして、「少しの勇気でも」「想い続ければ願いは叶う」といった記述も前向きな姿勢を示しています。

前向きなオープニングと対比効果を狙っていると考えると、エンディングもやはり主語は主人公だと考えられます。
それらを総合的に考えると、歌詞に出てくる言葉の意味は次のとおりでしょう。

:キミ=You:雄介
:僕=I:春人
:僕ら=We:春人+修司+香月+あすか+麻尋
:素晴らしいこのキャスト:僕ら(+木瀬+幽霊部長){{fn キャストとは出演者のことでスタッフを含まないはずだけれど、CUM研の活動そのものが人生の中のドラマの一幕であると考えれば、スタッフも人生のキャストだと拡大解釈できます}}
:残されたこのメッセージ:ロマンシングストーリー(光の階段)の台本を含む雄介の遺産
:キミと過ごした証:ロマンシングストーリー(光の階段)の映画

以上を踏まえて考察すると、こちらは、想い出を大切にしながらも仲間と共に一歩前に踏み出しているようです。
これは、まさに、グッドエンドでの主人公の状況そのものです。
!!!頑張ってるムービー
素晴らしいオープニング曲に合わせようとムービーも各キャラのイメージに合うよう考えられた作りになっています。

*「誰より、誰よりその声を探した」のところが雄介
*「居心地のいい空{{fn この場合は歌本来の意味ではなく、あすかにとっての居場所}}を探した」のところがあすか
*「胸を焦がす仲間の歌」のところが香月