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このページは[[Remember11考察]]の一部です。
!警告
このページでは、作者による後付け談話を元にした、深追いし過ぎた考察を記す。
よって、このページの記述内容は、作品本体の何処にも、それを示す直接描写はないし、ヒントも用意されていない。
一方、[[Remember11考察]]には、作品本体で直接描写されたこと、および、直接描写からほぼ確実に推定できる解答が示してある。
そちらを読まずにこのページを見ている人には、まず、そちらを先に読むことをお勧めする。

次の2つを条件を満足したうえで、続きが読みたい人は、どうぞ、先に進んでもらいたい。

*[[Remember11考察]]を良く読み、その内容を理解する
*'''考察を深追いすれば新たな謎が発生し、その謎には作品本体にも作者の後日談にも答えがない'''ことを覚悟する

しかし、この2つのいずれかを満足していない人は、その条件を満足するのが先であろう。
グッドエンド時点での謎だけなら明確な解答が示せるが、考察をある程度進めて生じた新たな謎の解答はない。
そのことは、監督自身が明確に認めている。
考察を深追いするなら、納得できるような解答が得られない覚悟をしておくべきだろう。
尻切れ蜻蛉の未完結な解答でも良いのであれば、どうぞ、先に進んでもらいたい。
!関連ページ
{{keyword_list('Remember11深追')}}
!ユーザーの考察
[[中澤氏のブログ|http://blog.livedoor.jp/ta5d/archives/52328499.html]]には、次のように書かれている。

""ただし、(ここからが最も重要な話です){{br}}
""これはインタビューの読み方と同じことですが、{{br}}
""「各個人で考察して、見出した真相」に満足している方は、PSP版で明瞭になった情報と食い違っても無視してくださって結構です。{{br}}
""僕ら制作者サイドの意向としては、すでに披露されているそれぞれのユーザーさんの考察内容も「アリ」だと考えています。{{br}}
""過去にも何度か申し上げた通り、このシリーズ作品に限っては、「ユーザーの皆さんが膨らませた想像の産物」の優先順位が高いのです。{{br}}
""Never7もEver17もRemember11も、いずれの作品についても、{{br}}
""最も納得した(あなたにとって妥当性のある)真相こそが、あなたにとっての真実です。{{br}}
""特に、今回のPSP版の年表には、PS2版ではハッキリしていなかった情報が含まれています。思考の推移に多少なりとも変化が生じてくるのは当然です。{{br}}
""なので、PSP版から初めて導き出せる内容は、PS2版のみで導きされた結論・論理を何ら否定するものではありません。{{br}}
""WEBサイトにて考察を披露されている方々は、自身の考察が誤りだと捉える必要はありません。{{br}}
""「今回のPSP版の情報は、別の真相への手引き」だと解釈くださっても結構なのです。

つまり、'''「俺が納得した」と言い張れば、作者は、「Remember11は虐められっ子が未来から来た[[猫型ロボット|Wikipedia:ドラえもん]]に助けてもらう物語だ」(以下、「猫型ロボット説」)という考察だって否定しない'''のである。
しかし、そのことをもって猫型ロボット説が正解だと言うのは暴論だろう。

作者は「WEBサイトにて考察を披露されている方々」が少なくないことを知っている。
有名な某サイトについては、以前に、簡単な意見を述べていたこともあり、その具体的内容も知っているのだろう。
それら、WEBサイトの考察が大筋で正解であるなら、こんな補足意見を述べる必要は全くない。
つまり、'''それらの多くが正解から掛け離れている'''からこそ、「自身の考察が誤りだと捉える必要はありません」と言っているのだ。
この記述は、正解から掛け離れた考察も許容するという意思を表明したに過ぎない。

仮に、「別の真相」と食い違う解釈を閉め出しても、それは作者にとって自己満足を得る以上のメリットはない。
逆に、「別の真相」と食い違う解釈を許容することで多数のユーザーから支持されるなら、商業的メリットは大きい。
よって、'''商業的に見た場合、正解から掛け離れた考察を許容することは、ごく当たり前の対応'''と言える。
!アイツとセルフ
PSP版年表から読み取れる事実は次のとおり。

*優希堂悟(オリジナル)は『超越的な意思(あるいは知性体)』を『セルフ』と名付けた
*優希堂悟(オリジナル)は『セルフ』が沙也香を『殺』したと考えている
*『セルフ』とは「犬伏の残した言葉を拝借し」ただけであり、犬伏の言う『セルフ』と同一とは限らない
*『セルフ』が「真に実在した存在だったのか?」「強い願望が見せた幻だったのか?」は定かでない

!!『超越的な意思(あるいは知性体)』
Infinity plusのPremium Bookによると、優希堂悟(オリジナル)は、自分を操った“アイツ”が妹を殺したと認識している。
そして、“アイツ”を「呼び出して復讐してやろうと、本作はそういう物語」であるということである。
PSP版年表には、「犬伏の残した言葉を拝借し、『超越的な意思(あるいは知性体)』を『セルフ』と命名」とあるので、
優希堂悟(オリジナル)は、『超越的な意思(あるいは知性体)』が犬伏の言う『セルフ』と同一かどうかの確認はしていない。
ただ、「犬伏の残した言葉を拝借」しただけである。
PSP版年表によれば、「悟はこれこそが、沙也香を『殺』した真犯人ではないか」と考えており、「『セルフ』をこの世界に誘い込む計画」を「立案・遂行することを志す」とされている。

//では何故、『ユウキドウ計画』(以下、「計画」)が「『セルフ』をこの世界に誘い込む計画」なのだろうか。
//これは、'''優希堂悟(オリジナル)が“アイツ”=『セルフ』と認識している'''と考えるのが一番妥当だろう。
//つまり、優希堂悟(オリジナル)は、自分が妹を殺した時と同様に、阿波墨事件も『セルフ』が犬伏景子を操って起こしたと考えているのである。
//だから、『セルフ』に復讐することで“アイツ”に復讐することになると考えているのである。
//もしかすると、「沙也加が両親を殺害」したことも『超越的な意志(あるいは知性体)』の仕業と考えているかもしれない。

では、“アイツ”と犬伏の言う『セルフ』は同一の存在なのか?
これについては、分からないとしか答えようがない。
“アイツ”や『セルフ』の正体も、それらの関係も、推測に必要な情報が提示されていない。
PSP版年表は、『超越的な意思(あるいは知性体)』が存在しない可能性も示唆している。
「真に実在した存在だったのか?」「願望が見せた幻だったのか?」と、'''優希堂悟(オリジナル)の想像の産物である可能性'''を示しているのだ。
『超越的な意思(あるいは知性体)』については、「〜と考える」のような主観的な表現が多い。
『超越的な意思(あるいは知性体)』と鍵括弧で括っているのは、それが、優希堂悟(オリジナル)個人の認識に過ぎないことを示している。
そして、優希堂悟(オリジナル)の認識が、この物語の世界の真実と一致するとは限らないからこそ、個人の認識に過ぎないことを明確にしているのである。
実のところ、“アイツ”や『セルフ』がどのような存在であろうとも、物語には大した影響はない。
重要なことは、優希堂悟(オリジナル)がアイツ”や『セルフ』をどう認識しているかである。
//!!プレイヤー
//「“アイツ”=プレイヤー」と主張する人がいる。
//それが、[[常人的介入設定|プレイヤーの介入?]](“アイツ”=真の主人公=[[プレイヤーが操作する人物|Wikipedia:プレイヤーキャラクター]])としての主張であれば、全く正しい。
//しかし、[[超人的介入設定|プレイヤーの介入?]](プレイヤーが登場人物として物語世界に介入する=“アイツ”の正体はプレイヤーだった)としての主張であれば、そう考えるのは自由だが、同時に、それは正解とも違う。 
//
//'''“アイツ”をどのような存在だと想像しようとも、物語の展開上は、何も問題はない'''。
//ただし、超人的介入説を持ち出すと、設定との辻褄が合わなくなってしまう。
//もちろん、辻褄を重視しない人にとって、それは大した問題ではないのだろう。
//とはいえ、Remember11では、辻褄を無視してしまうとどんな考察でも成り立ってしまう。
//辻褄を無視するなら、前述のような猫型ロボット説も許容しなければならない。
//
//作者が超人的介入設定を認めたと主張する人もいる。
//果たして、本当にそうだろうか。
//Infinity plus付属のPremium Bookには「プレイヤーが選んだ選択肢のせいで、悟が妹の沙也香を殺めてしまうシーンを入れようという案がありました」、PSP版のPremium Bookには「(プレイヤーが選んだ選択肢で?)彼女を手にかけてしまう」と書かれている。
//これは、超人的介入設定を意味するのだろうか?
//Infinity plusのPremium Bookには次のように書かれている。
//
//""中澤 本作のストーリーは、キャラクターたちによる“終わりのない復讐の物語”です。
//""----
//""プレイヤーがキャラクターたちの敵になると面白いかなと。プレイヤーって、ゲームのキャラクターたちにとって必ずしも“いい存在”ではないんです。プレイヤーの選択次第で、彼らに悲劇が訪れることもありますし。だから、ひょっとして彼らはプレイヤーを恨んでいる場合だってあるのではないか?その気持ちを物語に落とし込めば、これは新しい。
//""----
//""−だとすると、作中における''“アイツ”とはプレイヤー''のことなのでしょうか?{{br}}
//""中澤 そう解釈できるようにはしてあります。''“アイツ”=プレイヤーとは限りません''けど、彼らには、僕ら、“上の次元の者”1人1人を判別する手段がないですし。彼らにとっての僕らは、抽象的に言えば神様のようなものです。今作は神に対する反抗の物語であるともいえるかもしれませんね、
//
//確かに、作者は、超人的介入設定を仄めかそうとして「プレイヤー」という文言を使っているフシがある。
//しかし、一方で、自信を持って主張するまでには至らないため、明確な断言を避け、曖昧な言い回しで逃げている。
//どこにも「登場人物として」とは書かれておらず、常人的介入設定か、超人的介入設定か、どちらであるかについては具体的な言及はない。
//普通に考えれば、「プレイヤーが選んだ選択肢」は[[プレイヤーが操作する人物|Wikipedia:プレイヤーキャラクター]]の言動を決めるだけに過ぎない。
//その選択肢が物語の展開に影響を与えたとしても、そのことは、プレイヤーが特定の人物の行動を決定できるゲーム・システムになっていることを意味するだけであって、'''超人的介入説までは意味しない'''。
//つまり、「プレイヤーが選んだ選択肢」云々という言葉だけでは、超人的介入説の根拠にならない。
//
////超人的介入説の根拠とするなら、「プレイヤーが選んだ選択肢」がどのような意図で用いられたかまで検証する必要がある。
////その上で、'''ゲーム・システムに関する言及に留まらず、それ以上の何かを伝える意図があったと考えるだけの合理的根拠があって、初めて、超人的介入説の根拠になる'''のである。
//
//では、「プレイヤーが選んだ選択肢」と表現することで何を明確になるのか。
//それは、'''プレイヤーが操作する隠れた登場人物の存在'''である。
//行為の主体者が優希堂悟以外に別にいることを示す為には常人的介入設定に言及する必要がある。
//この隠れた登場人物とは、PSP版年表の『超越的な意志(あるいは知性体)』である。
//それならば、プレイヤーなどと言わず、初めから『超越的な意志(あるいは知性体)』と書けば良いと思うだろう。
//しかし、次のように考えれば、作者の言動には一貫性がある。
//
//*作品中に十分なヒントを提示したものについては、完成済みの解答について述べている。
//*作品中に提示できなかった解答は、未完の構想について述べている。
//
//[[Remember11真相]]のとおり、年表や冊子で補完された解答は、明らかに、辻褄合わせが終わっていない。
//もちろん、作品中で提示された解答についての辻褄合わせは終わっている。
//しかし、作品中で提示できなかった解答の多くは、辻褄合わせが終わっていない。
//辻褄合わせが終わっていないのだから、完成した解答を示せるわけがない。
//構想途中の未完の解答であるならば、実現可能性についての検討が不十分な構想が含まれていることは、何ら不思議なことではない。
//また、作者が超人的介入設定となる作品を以前から作りたがっていたことは、Ever17の制作秘話でも語られているらしい{{fn ('
//中澤氏と打越氏によれば、Ever17でも主人公の正体をプレイヤーにしようとして断念した実績がある。')}}。
//よって、作者が、そうした実現不可能な理想に基づいた発言をすることは、極めて自然な言動であると言える。
//そして、その構想が実現不可能だと知っているからこそ、明確に断言せずに、「そう解釈できるようにはしてあります。〜とは限りませんけど」という曖昧な言い方に逃げているのである。
//「〜とは限りませんけど」も曖昧さを醸し出しているが、「そう解釈できるようにはしてあります」も、積極的意図か消極的意図か明確でない{{fn ('
//「そう解釈させるように積極的に仕向けた」のか「そう解釈することも妨げないように配慮した」のか明確でない。')}}分、曖昧な言い方になっている。
//中澤氏は、PSP版のPremium Bookでも、同様の曖昧な言い回しを用いている。
//超人的介入設定を明言するつもりがあるなら、「その通りです。ただし、彼らは“アイツ”=プレイヤーとは知りませんけど」と言えば良いのであり、曖昧な言い方に逃げる必要は何処にもない。
//
//年表の方に「?」が入っているのも注目してもらいたい。
//これは「真に実在した存在だったのか?」「強い願望が見せた幻だったのか?」と連動している。
//つまり、'''隠れた登場人物=『超越的な意志(あるいは知性体)』が、優希堂悟(オリジナル)の想像の産物かも知れない、実在するかどうかも怪しい、という意味で「?」が入っている'''のである。
//仮に、そういう意味でなかったとしても、超人的介入設定だと断言しているなら、「?」が入っていることは説明がつかない。
//超人的介入設定だと断言することを避けたからこそ、曖昧な言い回しを採用しているのだろう。
//
//以上、まとめると、超人的介入設定を主張したいけど、自信が無いから超人的介入設定の明言は避けて、明言するのは常人的介入設定に留める。
//それが、作者の本音だろう。
//
////「そう解釈できるようにはしてあります」は2通りの解釈が可能である。
////それ以後の、「“アイツ”=プレイヤーとは限りません」等の記述を考えれば、後者の解釈が正しいように見える。
////前半部が、常人的介入説について述べていると考えれば、後者の解釈には何の矛盾もない。
////逆に、'''前者の解釈だと、「“アイツ”=プレイヤーとは限りません」と言わなければならなかった理由が説明できない'''。
////後者の解釈を裏付けることが[[中澤氏のブログ|http://blog.livedoor.jp/ta5d/archives/52328499.html]]にも書かれている。
!ユウキドウ計画
ユウキドウ計画は、優希堂悟(主人公)が第三地点に行くことによって起こるバッドエンドのタイトルにのみ表記されている名称です。
「計画」という呼称は、たびたび、出てきますが、これは、ユウキドウ計画と同じものであろうと推測されています。

ゲーム内で実行されたユウキドウ計画が、当初計画から変更を加えた修正後の計画であることが、明確に描写されています。
このうち、変更部分については、ゲーム内に十分なヒントが提示されています。
しかし、当初計画の具体的内容については、Remember11本編には情報が提示されていません。
TIPSに抽象的な記述があるだけで、ゲーム内の何処を探しても、当初計画の内容を知るに足るヒントはほぼありません。
ゲーム中でヒント足るのは、優希堂悟(オリジナル)が“アイツ”を恨んでるらしいという動機の可能性を示唆した描写と妹の死がきっかけで立案された旨の記述だけです。
妹の死の原因も、計画の目的も一切描かれていません。

つまり、当初計画に関する考察は、作品中にない情報に頼らざるを得ないわけです。
よって、この当初計画に関する考察については、完全な後付けの妄想として扱って差し支えないと言えるでしょう。
考察の情報源は監督の発言ですが、作品中に影も形もない以上、作者自身の発言であることは後付け妄想でない根拠とはなりません。
!!目的
年表によれば、計画の目的は、墜落事故の犠牲者の救出と「『セルフ』をこの時空内に捕らえ、幽閉すること」である。
では、後者と【時空間転移装置、あるいは、「分子レベルの量子テレポーテーション装置」】(以下、「装置」)はどんな関係があるのだろうか。

当初計画と装置は無関係で、装置の開発に携わったのは単なる偶然・・・で片付けるのは難しい。
それでは、都合の良い偶然が2度も続いてしまうことになる。
計画を実行しようとしたら装置と関わることになり、その後、装置で解決可能な飛行機事故が起きることになる。
また、時空間転移や人格交換を何度も行なった理由付けが難しい。
単なる「データの収集」で片付けてしまうと、物語の主要部分とは直接関係がなかったことになる。
そのような必要のない思わせぶりな描写は、物語の構成として反則であろう。
思わせぶりな描写の必要性は、必ずしも、物語の世界の中になければならないわけではない。
しかし、時空間転移や人格交換を何度も行なうことについては、物語の世界の外においても思わせぶりな描写の必要性が乏しい。

以上のように、計画と装置が無関係と考えるのは難しく、計画に装置が必要だったと考えるのが妥当だろう。
計画に装置を利用するなら、装置が必要と考えるだけの理由があるはずである。
ただし、優希堂悟(オリジナル)が脳内で宇宙から電波を受信しちゃう人だったという設定なら話は別だが。

『超越的な意志(あるいは知性体)』を『セルフ』と命名したのは優希堂悟(オリジナル)である。
そして、「願望が見せた幻だったのか?」と書かれていることから、『超越的な意志(あるいは知性体)』が存在すると考えたのは、優希堂悟(オリジナル)個人の考えなのだろう。
だとすると、『セルフ』の召還を理論的に予測するような情報の蓄積があったとは考え難い。
何故なら、 理論的に予測可能な情報の蓄積があれば、関係者が気付かないのはおかしいからである。
また、そのような情報があって、それが真相に肉薄するために必要なら、全く開示されていないのも変だろう。
であれば、装置が『セルフ』を召還した(ように優希堂悟(オリジナル)には見える)実例があると考えた方が無難だろう。
では、その実例とは何か?候補となる実例は3つしか書かれていない。

*優希堂沙也加が両親を殺害
*優希堂悟(オリジナル)が妹を殺害
*阿波墨病院殺人事件

前二者については、描写が不十分でハッキリしたことが言えない。
しかし、「阿波墨の事件を契機に、悟は自分の考えに確信を抱くようになる」と書いてあることから、阿波墨病院殺人事件が決定的な情報をもたらしたと考えるのが妥当だろう。
とすると、'''阿波墨病院殺人事件が装置による『セルフ』を召還した実例'''ではないのだろうか。
ただし、そう考えるにあたって、「分子レベルの量子テレポーテーション装置」がどのような装置であったかが重要になる。
装置のどのような機能が『セルフ』召還と関わっているのかが以後の考察に必要となるが、憶測で物を言うには少々複雑な事柄であるので、ここでは棚上げとしておく。
ただ、オリジナルの装置だけで人格交換が可能であったと仮定すると、その後の考察とうまく繋がるとだけ言っておく。
逆に、オリジナルの装置だけで人格交換が不可能であったなら、どのような根拠に基づいて『セルフ』の存在を確信し、また、召還法を見出したのか、その説明が困難になる。
!!手段
明確な描写も、推測に繋がるような根拠も無いため、不明。
ただし、いくつかのヒントは存在する。

救出作戦を達成するために、転移を何度も行なう必要はない。
つまり、救出作戦のためだけなら、物語中に行なわれた転移の回数が多すぎる。
また、人格交換も救出作戦には無用である。
では、何の為に、転移と人格交換を何度も行なったのだろうか。
消去法で考えれば、それは当初計画を遂行するためだろう。
「『セルフ』をこの世界に誘い込む」ために、度重なる人格交換が必要だったのではないか。
年表の次の記述を見ても、転移を繰り返すことは、それ以外の役に立つ余地があるとは考え難い。

""以降の転移現象は、装置の仕様により、{{br}}
""停止させるまでは不定期に発生し続ける。{{br}}
""この不定期転移は、設計者でさえ{{br}}
""原則的には予測不可能であるが、今回の計画では、{{br}}
""(何度同じ歴史を繰り返しても){{br}}
""完全に同じタイミングで転移は発生する。

復讐目的であるならば『セルフ』が誰に召還されるかを知る必要がある。
度重なる人格交換が召還の条件なら、召還対象の候補者は6人いることになる。
候補者の数を絞りたいなら、犬伏景子と涼蔭穂鳥の人格交換は行なわない方が良い。
候補者を増やせば、計画に不確定要素を増えてしまう。
にもかかわらず、候補者を倍に増やしたのは何故か。
それは、召還対象が優希堂悟だと初めから確信していたからではないのだろうか。
ユウキドウ計画失敗エンドで、即座に状況が理解できたのもそのせいではないか。
物語中で人格交換を二重に行なっていたのは優希堂悟だけである。
他の候補者との決定的な違いはそこだけだろう。
だとすると、人格交換を二重に行なうことが召還の条件なのかもしれない。
では、何故、犬伏景子と涼蔭穂鳥の人格交換を行なったか。
それは、計画が今回で成就するとは限らないからだろう。
失敗の可能性も考慮し、今後のために、人格交換を二重に行なうことが召還に繋がることを示すデータを取りたかったのではないか。
つまり、犬伏景子と涼蔭穂鳥の人格交換は、比較対象として行なわれたのではないか。

さて、33分(66分)ルールは何の為にあったのだろうか。
優希堂悟(主人公)の推理を引き出すためというのも立派な理由となりうるが、それにしては、ちょっと出来過ぎのような気もする。
優希堂悟と榎本尚哉の人格交換は長期に渡って継続されているので、空間転移や人格交換に伴う制約ではないようだ。
ただし、二重の人格交換に伴う制約である可能性は十分にある。
この件についても情報不足でハッキリしたことは言えない。
!犬伏景子
!!阿波墨事件の真相
ユウキドウ計画の項で書いたとおり、阿波墨病院殺人事件が装置による『セルフ』を召還した実例だと疑われる。
だとすると、犬伏景子は、事件の前に装置を使った何らかの実験を受けていたことになる。
その後、阿波墨病院殺人事件が起きた。
それを知った優希堂悟(オリジナル)は、装置が『超越的な意志(あるいは知性体)』=『セルフ』を召還し、犬伏景子を操ったと考えた。
この考えは優希堂悟(オリジナル)の個人的な考えに留まるので、ライプリヒ製薬が故意に『セルフ』を召還したとは考え難い。
つまり、ライプリヒ製薬にとっても、殺人事件は予想外の出来事なのだろう。
とはいえ、実験が事件の引き金になったことが明るみになっては、その責任を問われてしまう。
だから、犬伏景子をDID患者として「ライプリヒ施設に移送」することで真相を闇に葬ったのだろう。
!!DID
犬伏景子はDIDだったのか?
阿波墨事件=『セルフ』召還事例との推測が一定の根拠に基づいているなら、少なくとも、阿波墨事件当時はDIDでなかったと考えるのが妥当だろう。
そして、DID患者に偽装して幽閉した人物が、偶然、DIDを発病するのは話が出来過ぎである。
よって、犬伏景子はDIDではないのではないか。

「いや、まて、本編中に犬伏景子の異常性を示す描写があるじゃないか」と言う人もいるだろう。
しかし、もう一度良く見てもらいたい。
それは、本当に異常性を示す描写なのか。
[[Remember11考察 犬伏景子]]に示したとおり、いずれも理知的な現実主義&合理主義者であることを示していると解釈がすることも可能である。
実は、犬伏景子の異常性を示していると明確に断言できる描写は1つもない。

また、物語の展開の仕方としてみても、犬伏景子がDIDだと認識させるようにミスディレクションを仕掛けたと考えるのが妥当だろう。
!時計台の殺人鬼
この考察は[[Remember11考察]]を参照のこと。
別の解釈の可能性として、年表には次のように書かれている。

""悟が時計台から転落する直前に見た人影−−{{br}}
""それは、すでに時空内に閉じ込めれた{{br}}
""『セルフ』だったかもしれない・・・・・・。

『セルフ』の可能性を示唆しながら、何故か、「かもしれない」と答えを暈している。