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公式掲示板に、'''涼蔭穂鳥はキュレイ'''{{fn('前作に登場したウィルス')}}[[感染者ではないかとする説が投稿|http://www.kid-game.jp/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=3205;id=infinity]]されました。
普通に考えると荒唐無稽な説ですが、本編の涼蔭穂鳥の驚異的生命力を考えると、それ以外に辻褄の合う答えは考えられません{{fn('ゲーム内設定の枠内に全然おさまりません。我ながら(パクリだけど)、かな〜り、無理がある気がする。まあ、他に波及しないから良しとするか。')}}(作者が何も考えてなかった・・・以外は)。
!驚異の生命力
13日午後、転移直後のスフィアサイドで、涼蔭穂鳥が錯乱しています。
スフィアサイドに戻った途端に錯乱するのは、山小屋サークルで相当酷い目にあったからでしょう。
その後、落ち着きを取り戻したとき、筆談で寒さを訴えていることから、'''この転移の直前で悪寒がピークに達した'''のでしょう。
涼蔭穂鳥が錯乱した後、冬川こころが山小屋に戻って腕時計で確認した時刻は午後2時28分。
66分ルールから、冬川こころと涼蔭穂鳥が山小屋サークルを出たのは午後1時22分頃と推測されます。

同じタイミングの転移の直前、犬伏景子は、「いやだ!やめて!''行きたくない行きたくない行きたくない行きたくない''」「このまま''ここにいさせて''ぇーっ!」と叫んでいます。
犬伏景子がどうやって転移の兆候を知ったのかは分かりませんが、「ここ」がスフィアを指していて、「行きたくない」先は山小屋サークルのことであると思われます。
犬伏景子の錯乱っぷりから見て、'''その直前の転移で、相当酷い目に合った'''のでしょう。
その正確な時刻は不明ですが、分かっている限りの最後の転移は、12日最後の転移です。
ただし、優希堂悟(主人公)は転移時刻を確認していない。この転移のとき、冬川こころがスフィアで見た置き時計は午後9時49分(33分進んでいるので、正しい時刻は午後9時16分)。
66分ルールから、優希堂悟(主人公)と犬伏景子が山小屋サークルを出たのは午後10時22分頃と推測されます。

以上のことから、'''山小屋サークルの涼蔭穂鳥&犬伏景子にとって最も過酷な状況は、12日午後10時頃〜13日午後1時頃'''に発生していると考えられます。
そして、それ以降は、涼蔭穂鳥が一度も錯乱していないことから、'''感覚が麻痺しているか、あるいは、意識を失っている状態'''になったと推測されます。
山小屋サークルで苦痛を感じていないから、スフィアに転移しても錯乱には至らないと考えれば、辻褄が合います。

13日朝〜14日日中の朱倉岳は天気が良かったのに14日夜からは雪が降っています。
15日午後に優希堂悟(主人公)が発見したときには涼蔭穂鳥の体は雪の上に露出していました。
涼蔭穂鳥の体はうっすらと雪を被っており、これは、彼女の上に積もった雪がほとんど解けていないことを示しています。
よって、これは、'''発見時点での涼蔭穂鳥の体表面温度が氷点下'''であることを示しています。
もし、14日夜の時点で涼蔭穂鳥の体表面温度が0度以上であれば、体の上に積もった雪が一度溶けてから再度凍るため、雪の上に露出していることはありえません(これは、雪国の経験のある人には常識でしょう)。
//当時の朱倉岳の気温や降雪量から推測して、涼蔭穂鳥の上に積もった雪が完全に解けるということも考えにくいでしょう。
//もし、仮に、解けたとすると、体の下や横の雪も溶けるはずであり、周辺に大きな窪みが出来ているはずです。
//しかし、そのような窪みは確認されていません。
つまり、これは、遅くとも'''14日の午後には、涼蔭穂鳥の体表面温度が0度以下になった'''ことを示しています。
それは、約24時間前に意識を失ったこととも辻褄が合います。

以上のことから考えて、15日午後の段階で'''手足は完全に壊死状態'''でしょう。
楠田ゆにが低体温症になったときの黄泉木聖司の台詞から見て、'''作者はそのことを知っている'''はずです。
ということは、この時点で指が動くはずが無いのです。
しかし、確かに、涼蔭穂鳥の指がピクリと動いています。
そして、17日夜に冬川こころが涼蔭穂鳥を見つけたとき{{fn 一見、凍り付いているかのようにも見えなくはないが、よく見ると日が射しているだけであり、凍り付いてなどいない}}、
//==には、何故か、涼蔭穂鳥の体が凍り付いています。これは、涼蔭穂鳥の体表面温度が一時的に0度以上になったことを示しています。
//天候の悪い冬の高い山で雪に埋まっているという状況を考えれば、あり得ないことです。
//そして==
この時点でも、確かに、涼蔭穂鳥の指がピクリと動いています。
先にも述べた通り、こんなことはあり得ないと作者も知っているはずです。
以下、優希堂悟(主人公)が犬伏景子の人格を推理したときの描写です。

""涼蔭穂鳥もまた、HAL18便の搭乗者のうちのひとりだったからである。{{br}}
""あのような''薄着''で、極寒の朱倉岳を麓から登ってこれるわけがない。
""----
""昨日見た穂鳥の遺体は、死後しばらく経過したものだったことは間違いないわけだし・・・。{{br}}
""''あの服装と吹雪の中では、数時間と持たなかった''のではないかと思われる。

このことからも、'''作者が、涼蔭穂鳥の薄着の服装では極寒の朱倉岳で数時間と持たないと認識'''していることは確実でしょう。
では、何故、このような描写を入れたのでしょうか。
犬伏景子と涼蔭穂鳥の人格交換は、涼蔭穂鳥の実在を元に、優希堂悟(主人公)が指摘しています。
また、この時点で人格交換が続いていたことも、'''失語症の描写'''からプレイヤーには明らかです。
よって、涼蔭穂鳥が「人格交換可能な状態である='''かろうじて生きている」ことをプレイヤーに示すヒントは既に十分'''に揃っており、指が動く描写を挿入する必要はありません。
それなのに、どうして、このようなあり得ない描写を、敢えて、挿入したのでしょうか。
それは、おそらく、'''人間離れした生命力'''を示したかったからではないでしょうか。
しかし、今作の設定では、この生命力は全く説明がつきません。
説明を付けるためには、前作の設定を持ち出す必要があります。
!描写の必要性
何故、涼蔭穂鳥の肉体の死を印象づける描写を挿入したのか。
それは、内海カーリーの襲撃から犬伏景子を庇うシーンとの整合性を取るために、''優希堂悟(主人公)に【「初期の転移時」に「犬伏景子の意識が、涼蔭穂鳥の肉体の中で死に絶えた」】という誤推理をさせる必要がある''からである。
そのために、「あの服装と吹雪の中では、数時間と持たなかった」という常識的な判断を利用して、涼蔭穂鳥の肉体の死を推理させたのである。

では、何故、涼蔭穂鳥の指を動かしたのか。
第一に考えられる理由は、''プレイヤーに、涼蔭穂鳥が生きているという真相を明かし、犬伏景子の意識が死んだとする推理が誤認であることを知らせる''ためである。
しかし、''プレイヤーは、涼蔭穂鳥と犬伏景子の人格交換を目の当たりにしている''ため、そのことから、優希堂悟(主人公)の推理が間違っていることを知ることができる。
よって、'''優希堂悟(主人公)の誤推理を暴くために、涼蔭穂鳥の指が動く描写は必須とは言えない'''。

'''仮に、涼蔭穂鳥の指が動く描写を必要とするとしても、サトル編だけで良かった'''はずである。
ココロ編で、指が動くシーンを入れる必要はない。
プレイヤーが見逃す可能性を考慮するとしても、''ココロ編とサトル編に分けて1回ずつ挿入するよりは、サトル編で複数回入れた方が良い''だろう。
ココロ編に挿入するとしても、''涼蔭穂鳥の超人っぷりを印象づける意図がないなら、サトル編での発見から間もない時期に入れた方が自然''である。
しかし、7日目のように、2日近く経過した後で、再び、指を動かすのでは、''涼蔭穂鳥の超人的生命力''を示唆することになってしまう。
だから、'''優希堂悟(主人公)の誤推理を暴くという理由では、5日目に挿入すべきシーンを7日目にずらしたことが説明できない'''。

ココロ編での涼蔭穂鳥の発見を5日目にすることで、唯一懸念されることは、それが物語の進行に与える影響である。
''この時点で、涼蔭穂鳥が山小屋サークルにいた事実をプレイヤーが知るのは早すぎる''。
しかし、その心配は無用である。
というのも、''超人的生命力がない前提では、助かる見込みがない''はずだからである。
冬川こころは、涼蔭穂鳥の首筋が冷たくなっているのを確認しているのだから、それは、首筋が冷たくなっていても、指が動かせることを示している。
ということは、最終的に涼蔭穂鳥が死ぬのであれば、優希堂悟(主人公)が発見して時点で、首筋が冷たくなっていても、物語の都合としては、一向に差し支えないということである。
だから、ココロ編での涼蔭穂鳥発見シーンを5日目にし、その時に、首筋が冷たくなっている描写を入れれば良い。
一番、情に流されそうな冬川こころでさえ、助けられないという理由で、涼蔭穂鳥をアッサリ見捨てている。
墜落現場の遺体も埋葬できずに放置した状態なのだから、涼蔭穂鳥だけを特別に埋葬したりする必要もない。
どのみち死ぬ人間なら、身元の特定も捜索隊に任せれば良い。とくに、山のプロである黄泉木聖司は、迷うことなく見捨てるだろう。
だから、'''正体不明の遺体が一体増えること以外に、何ら、物語への影響はない'''。

以上のように、''優希堂悟(主人公)の誤推理を暴くためだけの理由では、ココロ編7日目に涼蔭穂鳥の指が動くことが説明できない''。
それ以外に、この描写が必要な理由と言えば、やはり、'''涼蔭穂鳥の超人的な生命力による生存の可能性を示唆する以外には、考えようがない'''。

まとめると、何か別の理由があって、作者の意図に反する【あたかも涼蔭穂鳥に超人的生命力があるかのように見える描写】を挿入せざるを得なかったのではない。
'''意図的に、涼蔭穂鳥の超人的生命力を示唆した'''と考えられる。
だから、前作の設定を持ち出すかどうかは別としても、最終的に涼蔭穂鳥が生存している可能性を匂わせているのは確かだろう。
そして、その結論に都合が良い設定として、前作の設定があると言うだけのことであって、'''決して、前作の設定があるから涼蔭穂鳥が生きている・・・ということではない'''。
!楠田ゆにの行動
何より、楠田ゆにが涼蔭穂鳥を救出しようとしなかったことが釈然としません。
楠田ゆには、涼蔭穂鳥の存在を知りうる立場にあります。
そして、楠田ゆにが涼蔭穂鳥の存在を知っていないと、犬伏景子と涼蔭穂鳥の人格交換が発生しないはずです。
とすると、楠田ゆには間違いなく涼蔭穂鳥の存在を知っていたはずです。
それなのに、'''楠田ゆには、何故、涼蔭穂鳥を見殺しにした'''のでしょうか。
それは、涼蔭穂鳥が死なないことを知っていたからではないでしょうか{{fn 救出は歴史を変えることになるからと考えられなくもない}}。
//!作者の条件
//実を言うと、'''この項目に書いた考察は、作者が雪の性質を熟知していることが大前提'''になります。もし、作者が雪の性質を知らないなら、少なくとも、次の2つは成り立たなくなります。
//
//*発見時点での涼蔭穂鳥の体表面温度が氷点下である
//*遅くとも14日の午後には、涼蔭穂鳥の体表面温度が0度以下になった
//
//さて、作者は雪の性質を知っていたのでしょうか。
//結論から言えば、知っていたと考えられます。
//優希堂悟(主人公)が涼蔭穂鳥を発見したときに体が雪の上に露出していた描写は、大量に雪が降っても積雪深が全く変わらないことがある(乾燥した雪だと風に飛ばされて積もらないことは雪国では珍しくなく、降雪量は、必ずしも、積雪量に反映されない。地吹雪という降雪量0の吹雪もある。)ことを知っている必要があります。
//それを知らないと、涼蔭穂鳥は深く雪の中に埋まっていて見つからない・・・ということになるはずです。
//'''雪国の人間が良く知っていて雪国以外の人間にあまり知られていないことを知っている'''ということは、作者が雪の性質を熟知していたと推測されます。
//雪に埋もれるはず・・・ということを''見落としていた''可能性もないとは言えないけれど。
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