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12RIVEN考察 矛盾点

このページの考察は考察の基本原則に従っています。あと、物語の条件も必読。12RIVEN考察も併せてお読みください。

Ψの実用性

有効戦術

侵入と脱出

人と会うことを避けたい任務においてはΨは絶大な効果を発揮する。例えば、警備員がいる建物に入りたいなら、警備員に阻まれる領域のみA世界で移動すればいい。そうすれば、警備員の妨害を受けずに建物に入ることができる。脱出も同様である。

だから、雪積真琴を確実に殺したいのであれば、病院の前で銃撃戦を行なうのではなく、こっそりと病院に侵入すべきなのである。

対「律儀者」戦

  • 発砲する都度、事前に発砲許可を受けなければならない
  • 発砲許可は撃たれる側に聞こえるように伝える
  • 発砲許可から数秒以内に発砲終了
  • 発砲許可の間隔は一定(発砲許可から発砲までの間隔の数倍)以上長い

この前提でならば、発砲許可の直後に数秒程度のショート・ダイブを実行すれば、超回復によりダメージを相殺できる。実弾を受けて即死すると超回復できないが、トラブル弾なら問題ない。

閃光手榴弾

鳴海ルートでΨクリミナルになる相手に閃光手榴弾が通用したのは何故か。

鳴海「そのようね・・・」
私は観念した振りをして、ポケットの中の閃光手榴弾を弄った。
この手榴弾は3秒のウェイトの後炸裂する。
Ψクリミナルはゴーグル内に仕掛けられたRSDの画像を見ることによってΨを使っている。
つまり、視界を眩ましてしまえばRSDの画像を見ることができなくなるはず。
ポケットの中で留め金を抜いて、3つ数える。
ピン・・・
栓が抜ける。
ポケットから手を出す
3・・・
2・・・

ジャケットを持ち上げポケットの部分から身体を離す・・・。
私はギュッと目を瞑った・・・。(爆発音)
まぶたを通して光が射し込んでくる。
強烈な光。
右の脇腹に痛みが走る・・・。
賭けだった。
目を開けてみる・・・。
目の前に、ゴーグル越しに目を押さえるΨクリミナル達がいた・・・。
耳がキーンとなっている。
下手をすれば鼓膜をやられたかもしれない。
ジャケットのポケットの部分はボロボロに破裂し、私の脇腹には薄っらと血が滲んでいた。
今だ!(銃声3発)

以上のとおり、ポケットから閃光手榴弾を取り出した描写がない。いや、どう見てもポケットの中に隠したまま閃光手榴弾を破裂させている。現実にやるのは無理っぽい*1のだが、軍事オタでもなければそこは拘らない所だろう。重要なことは、不意打ちが通用する設定となっていることである。

不意打ちが弱点となるなら、警告や予備動作を元にΨを発動させていることになる。これは、後で説明する戦術がΨで実行不可能な根拠となる。

無効戦術

瞬間移動

最初にまとめておく。

  • 対戦相手が無知な場合は、デモンストレーションとしてなら使える
  • 対戦相手がΨを知っている場合は、Ψを使っても互角の戦いになるので無意味
  • 対戦相手がΨ使いの場合は、実質的に、Ψ無しバトルと同じ

Ψを知らない人物を相手にする場合でも、瞬間移動には無駄が多い。その場の勝ち負けだけを考えるなら、一撃で殺傷した方が確実だ。素早く相手の背後に回って、銃を撃ち込めば、相手は瞬間移動を認識する間もなく昏倒するだろう。また殺す気がないならば、戦闘を避けて逃げた方が良い。

唯一、瞬間移動を見せることに意味があるとするならば、デモンストレーションとして自分達の力を実力以上に見せる必要がある場合だけだろう。そうすれば、未知の力を見せつけて戦う前から戦意喪失させることができる。しかし、その場の戦闘を避けるだけなら、逃げた方が早い。だから、デモンストレーションはΨを使う人または集団の存在を白日に晒す場合にだけ意味を為す。この物語のような、組織の存在を秘密にする場合は、デモンストレーションを行なえば、組織の存在が公になるので、逆効果だろう。

対戦相手がΨを知っていれば、動き回ってかく乱してくるだろうから、現世界に戻ったときに互いに相手を見失うので、互角の条件での戦いとなる。

12RIVEN考察の「未来予知」を実行しない限り、A世界からは現世界に居る人の動きは分からない。「未来予知」は容易ではないという設定なので、大多数のΨ使いにとっては、現世界に戻ったときの対戦相手の居場所は予測困難である。よって、Ψによる瞬間移動は、戦闘を全く有利にしてくれない。

Ψを知っていれば互角以上の戦いに持ち込める対処法がある以上、デモンストレーションによる戦意喪失も期待できない。

対戦相手がΨ使いで、相手もA世界に来た場合は、A世界で普通に戦うことになって、Ψを使う意味が全くない。それは、実質的には、Ψバトルではなく、ごく普通の戦闘が現世界とA世界にまたがって行なわれるだけに過ぎない。

超回復

原理説明からも分かるとおり、Ψを使い始めるより前に戻って歴史を改ざんすることは出来ない。よって、Ψを超回復に利用しようとするならば、ダメージを受ける前にΨを使い始める必要がある。しかし、あらかじめダメージを予測できるならば、Ψを使わずとも、普通に回避すれば済むだけではないだろうか。エクリプシー状態になってまでΨを使う意味はあるのだろうか。

マイナが言っていた机の端で落ちそうなグラスの話も思い出してもらいたい。12RIVEN考察の原理説明で挙げた事例で言えば、12時0分〜12時12分に受けたダメージは回復できるが、12時12分〜12時24分に受けたダメージは回復できない。つまり、原理上、必然的に、無敵時間と同じ時間の無防備時間が発生する。しかも、無敵時間における「無敵」状態は死なない限りという条件付きだ。たとえば、無敵時間であっても、実弾を受けるなどして死んでしまうと、それに対応するA世界の「自我」も消滅し、Ψを発現することなく死ぬことになる。それでは、超回復はできない。だから、致命傷を食らった場合は、本体が絶命する前に現世界に戻って来ないといけない。そうした危険を避ける方法は大きく分けて二通りある。

  • ロープ長を徹底的に長く取る
  • ロープ長を徹底的に短く取る

前者の方法は、危険が及ぶ可能性のある期間をずっとA世界で過ごすやり方である。そうすれば、全てのダメージを回復することができる。ただし、危険が及ぶ期間が12分を超える場合や、致命傷を食らう可能性がある場合は使えない

後者の方法では、ロープ長を短く取り、かつ、ダメージを受けるタイミングに合わせたΨ発動が必須になる。連射銃による銃撃戦のように長時間攻撃が続く場合、A世界を出た途端に撃たれる危険性がある。それを回避するには、ロープ長を最小連射間隔の半分以下にして、発砲の都度、そのタイミングに合わせてΨを発動させる必要がある。しかし、自動拳銃(自動と言っても、リロードが自動なだけで、発射まで自動のマシンガンとは違う)を3秒で十数発撃つ*2ことも可能らしく、これに対応するにはA世界滞在を約0.1秒以下とし、その期間に撃たれるようにΨ発動を調整しなければならない。そこまで正確な時間調整が可能ならば、Ψを使わなくても攻撃を回避できるはずである。確かに、広範囲攻撃に対しては、予想できても回避できないこともあるだろう。しかし、近接戦闘であれば、相手の攻撃を予測できるならば、普通にかわした方が確実だ。また、原理的にロープ長は0.5秒以下とならないはずなので、1秒間隔以下の連続攻撃を連続Ψで対処することは不可能と言える。

だから、長時間連続攻撃に対しては、ロープ長が長くても短くても、危険を回避できない。相手の攻撃がどれくらい続くか予測可能で、かつ、その後にどれぐらい攻撃が途切れるかが予測可能でないと、ロープ長を決めることさえままならない。以上のように、どんな攻撃にも対応できる万能で安全な超回復は実現不可能である。

ただし、他者による肉体の上書きが可能という設定ならば、多数の実動部隊と少数の観測部隊で超回復等は実現不可能ではない。観測部隊は、物陰に隠れて実動部隊を観測しながら、ショート・ダイブを繰り返せば良い。そうすれば、即死以外の実動部隊を超回復させることができる。しかし、これは、最後に追加された主体的関与設定と矛盾してしまう。

いずれにせよ、瞬間移動と同様に、素早く相手の背後に回って攻撃を加えた方が確実だろう。相手を倒す必要がないならΨを逃走に使う方が良い。いずれにせよ、手間が掛かる割に不確実な超回復に頼るのは効率が悪すぎる

不可能戦術

ダメージ反映

以下、プロローグで雅堂錬丸が霧寺メイから受けた攻撃の描写。

気がつくと、俺は水びたしになったコンクリートの上に、仰向けになっていた
ミゾオチの辺りに、焼け付くような痛みがある。
殴られたのか・・・?蹴られたのか・・・?
だがいつ・・・?どうやって・・・?
男には指一本触れられた覚えはない

以下は、同2回目の攻撃。

いつの間にか俺の背中は、硬いコンクリートの上に叩きつけられていた
体中に強烈な痛みを覚える。
その痛みと同じ数だけ、頭の中には疑問符が駆けめぐっていた。
なぜだ・・・。何が起こった・・・?
どうして俺の体は、こんなふうにボロボロに痛めつけられてるんだ・・・?
殴られもせず、蹴られてもいないのに・・・。

これらは、相手の攻撃が見えなかった=見えない攻撃を受けたのではなく、受けていないはずの攻撃によるダメージを負ったという描写である。攻撃が見えなかっただけならば、殴られた瞬間の痛み倒れるまでの過程の記憶が抜け落ちているのはおかしい。よって、これは、Ψによって直接的にダメージを現世界を上書きしたことを示唆している。

しかし、この時点では、雅堂錬丸はA世界に行っていない。だから、霧寺メイはA世界に居ない雅堂錬丸のダメージを現世界に上書きすることはできないはずである。

トラック落とし

Ψ能力でトラック落としを実現するには、A世界でトラックを体育館上空に持ってくれば良い。

首都高から落ちてきたのだろうか?カーブを曲がりきれずに?

この描写からは、首都高が近くにあることが伺える。しかし、それだけではトラック落としは実現できない。

おまけに、首都高のコンピュータには、
そのトラックがインターチェンジを通過した記録は残されておらず、監視カメラの映像にも、その姿は映ってなかったらしい。
さらに不思議なことが、もうひとつ・・・。
トラックは−無人だったのだ。つまり『運転手が乗っていなかった』という事。

これを元に考えると、現世界で未だ「インターチェンジを通過」してないトラックをA世界にて調達し、それを運転して首都高のカーブに突っ込み、落下直前に脱出し、高速道路から降りてΨ使用前の位置に戻ってくる、といった行動が必要になる。一連の行動にどれだけの時間がかかるか考えてもらいたい。

トラック落としのシーンでは、Ψを使い始めたと思われる時刻=警告開始から、トラック出現までには1分もかかっていないように見える。これでは、時間が余りにも短すぎて、準備が間に合わない。

Ψではなくマインド・フュージョンだとする説もある。しかし、マインド・フュージョンは肉体的接触が必須条件である。

『マインド・フュージョン』とは『直接接触性精神融合能力』のことだ。
肌と肌を触れ合わせることによって、お互いの思いを重ね、溶け合わせ、1つにすることができる。

トラック落としの目撃者には肉体的接触が不可能な人達も含まれている。

教室の窓から一部始終を目撃していた生徒は、のちにこう証言している。
「何もない空中から、突然、ふわっとトラックが現れて・・・」

以上により、Ψでもマインド・フュージョンでもトラック落としは実現不可能である。第三の能力とする説もあるが、トラック落としがΨであることは明言されている

これが−生まれて初めて『Ψ』を目の当たりにした時の出来事だ。

いや、それ以前に、これまでの説明を完全に無にするような第三の能力、しかも作品中で全く説明されてない新設定を持ち出すのは反則だろう。以下、鳴海ルートでの伊野瀬チサトと三嶋鳴海の会話。

ミュウ「私たちΨクロンは、およそ超能力と言われるものは、ほとんど使う事ができる。」
鳴海「Ψクロン?何なのよそれ?Ψクリミナルじゃないの??」
ミュウ「今、説明しても、すぐには理解ができない」
鳴海「言ってくれなきゃ、分からないでしょ」
ミュウ「そして、これらの超常的な力は・・・」
ミュウ「たったひとつの原理によって、発生している

この会話内容からも第三の能力なしに「超能力」を実現しているはずである。

警察手帳

手錠を後ろ手に掛けるのは、マイナをA世界の鳴海と見なせる設定であれば問題なし。ブラジャー抜き取りも、鳴海のブラとマイナのブラの入手先の違いを無視する設定であれば問題なし。えっ、服装?・・・お願いだから、そんな重箱の隅*3は突かないで(笑)だけど、拳銃や警察手帳はマイナが持っていないから、Ψで抜き取ることは不可能。

酔拳

まるで酔拳のようにゆらゆらと近付きながら、消えたり現れたりを繰り返している。

酔拳はフラフラしてるけど消えたり現れたりはしないよ・・・というツッコミは置いといて。

目の前から消えるほどの瞬間移動を行なうにはロング・ダイブを行なう必要がある。何故なら、A世界で別の場所に移動するのに時間が必要だからである。視界内から消失するためには、長距離を移動しなければならない。長距離移動には長時間要するので、ロング・ダイブでなければ視界から消えることはできない。一方で、短時間にΨを繰り返すためにはショート・ダイブでなければならない。つまり、この描写のようなことは、ロング・ダイブでもショート・ダイブでも実現不可能である。

ただし、マギー審司並の手品であれば実現不可能ではない。まず、背景が単色の場所を用意する。そして、背中を背景と同色に塗っておくのである。ここまで言えば、感の良い人は分かるだろう。そう、まずは前向きでショート・ダイブを実行し、A世界で後ろ向きになったらすぐ戻ってくる。そして、次のショート・ダイブではA世界で前向きになってからすぐ戻ってくる。これを繰り返せば、奥様、あら不思議!何と、消えたり現れたり・・・ミカンが宙に浮く手品の方がまだマシかも?

対機動隊銃撃戦

以下、機動隊がトラブル弾(麻酔ゴム弾)で応戦したときの描写。

尋ねた次の瞬間−(単発の銃声)
沈黙・・・。静寂・・・。続けて聞こえてきたのは・・・。(射撃音1〜2秒)
窓の向こう、警官の声が聞こえる。
警官「狙撃隊、位置につけ!」


敵集団は、不気味な笑みを浮かべながらじわじわと近付いてくる。(銃声2発の後、瞬間移動らしき効果音4回
消えては現れ、消えては現れ、弾丸はくその役にも立たない。
大手町「・・・信じられない・・・」
じわじわ接近してくる。
機動隊の攻撃は一切効かない。
機動隊員A「隊長、なす術がありません!」
隊長「怯むな!それ以上一歩も進ませるんじゃない!!」
機動隊員B「で、でも・・・」
隊長「ばかやろう!どんどん威嚇しろ!!」
間合いを詰められ、機動隊員は後ろに飛行としている。

効果音がミスではないとするなら、銃声の後に瞬間移動の音がしているのだから、銃弾を発射した後に瞬間移動を行なっていることになる。ということは、瞬間移動で弾丸を避けているのではなく、超回復によって傷を癒していることになる。「閃光手榴弾」の項を見れば分かるとおり、Ψクリミナル相手には不意打ちが通用する。よって、この場合は、発砲警告や銃を撃つときの予備動作を元にして、Ψを発動させていることになる。

姿が消えるのは、瞬間移動を用いて、相手の視界外に移動しているのだろう。この場合、撃たれてすぐ消えているので、予備動作を元にしているとしたら、ショート・ダイブを行なっていることになる。しかし、それでは、フェイントを掛けられたら終わりだろう。故意のフェイントでなくても、結果的にそうなった場合も同じである。例えば、ロープ長を1秒とすると、Ψ発動から1秒までに撃たれた傷は回復できる。しかし、姿が消えるまでにはさらに1秒を要し、机の端で落ちそうなグラス論により、その間に撃たれた傷は回復しない。予定より、少し遅れて撃たれると、傷を癒すことができない。

また、視界外に移動するだけの十分な時間が取れない。目の前にいる相手の視界外への移動なら、それほどの移動距離は必要がないが、距離の離れた相手の視界外へ移動するには、それなりの移動距離が必要である。そして、移動距離を稼ぐには、移動時間が必要である。しかし、この場合は、撃たれて直ぐに消えているから十分な移動時間が確保できない。となると、このような瞬間移動を実現するには、A世界に行く→肉体を遥か遠くに弾き飛ばす→現世界に戻るという一連の動作を一瞬のうちに行なわなければならない。Remember11の設定ならば、この時代に時空間転移装置があるわけだが、何の説明もなく他のゲームの設定を12RIVENの中で何の説明もなしに持ち出すのは反則だろう。何か、都合の良い設定がなければ、このような瞬間移動は不可能となる。

さて、通常、「消えては現れ」という表現を使う場合、消えてから現れるまでの時間間隔は短い。とくに、それを2回も繰り返している場合は、短時間で同じことを繰り返すことを意味する。とすると、この場合、間髪入れずに、2度目の瞬間移動を使って元の位置に戻っていることになる。これも、やはり、移動時間が十分に取れない。

以下、実弾使用許可後の描写。

機動隊員A「警告だ!それ以上近付くと発砲する!これは実弾だ!」
サイクA「・・・」
機動隊員B「くそ、なんだあいつらは・・・」
機動隊員A「銃をまったく恐れない・・・」(瞬間移動らしき効果音4回)
機動隊員B「なんで消えるんだ!」
機動隊員A「消えた奴、どこに行った、探せ!!」
機動隊員B「目の前です!現れましたぁぁぁ!!!」
機動隊員A「クソ、消えたり現れたり、照準が合わん!」
機動隊員C「うわぁ!・・・あいつらの動きを止めるにはどうしたら良いんですかぁ!」
動きを止める・・・。
弱点・・・。
何か、弱点は?
何かあるはず・・・。
私は成り行きをジッと見ていた。
機動隊員B「う、うわ!」
機動隊員A「ビビるな!最後の警告だ!それ以上近付いたら撃つ!」
サイクA「へっ、撃ってみろよ。腰抜け」(爆発音)
機動隊員B「うっ、なんだ!!!」
隊長「車が爆破されたぞ!遠慮なく撃て!!!相手はテロリストだ!!!」(爆発音)
機動隊員A「あ、わ・・・」
隊長「何をためらっている、早く撃て!!!乱射すればどれか当たるはずだ!!!」
機動隊員達は、慌てて構えた。
機動隊員A「全員、一斉に射撃しろ!行くぞ!!」
機動隊員達「はい!!!」
機動隊員A「撃てぇぇぇ!!!」
引き金をひく。(射撃音1〜2秒の後、瞬間移動らしき効果音4回
機動隊員B「ちきしょう!また消えやがった!!」
機動隊員A「舐めやがって、どこだ!」

この場合も、トラブル弾と同様に、撃たれてから超回復を実行している。今回は、実弾なので、回復できないと致命傷になる。尚、先ほどと違い、撃たれる前にも、瞬間移動を行なっている。これは、前述したフェイントと同様、Ψクリミナルにとって非常に危険な行為である。

弾丸避け

「閃光手榴弾」の項の直前の描写。

私は銃を構えトリガーに力を入れた。
気付くとΨクリミナルに囲まれていた。
サイクA「分かってると思うが、ここは通さない」(銃声1発)
私は予告無く発砲した。
弾はすり抜け、壁に当たる
サイクA「いいかげん、学習した方が良い。そんな攻撃、通じない」

何と、機動隊との銃撃戦で出来なかった弾丸避けをやってのけている。しかも、機動隊と違い発砲の警告を行なっていないにも関わらずである。これは完全に不可能である。閃光手榴弾による不意打ちを食らっているので、何らかの予知情報に基づいて行動しているわけではない。とすると、実際の発砲を確認してから避けていることになる。仮に、トラブル弾が、通常の銃より弾丸の速度が遅いとしても、撃ってから着弾までには1秒も掛からないだろう。その間に、Ψを発動させて避けるなど、どう考えても時間が足りない。ただでさえ、Ψで避けるのは2度手間だから、それなら、普通にかわした方が早い。

新首都圏電波塔の戦闘

高江ミュウの参戦

伊野瀬チサトは、A世界の観覧車の中で、力ずくで高江ミュウと服を交換した後、現世界に戻った。これによって、21日の11時頃に2人の外見は入れ替わったのである。ついでに言うと、この時に高江ミュウのはめていた指輪も現世界に反映された。ここまでは良い。

しかし、現世界のバトルに高江ミュウが参戦できるはずがない。もちろん、何者かがA世界での同時刻での新首都圏電波塔の出来事を現世界に上書きすれば、その場所に高江ミュウを連れて来ることは可能だろう。しかし、現世界での21日正午前の時点で、高江ミュウの「自我」は「識域下」より23時間以上も遅れており、自発的意思での参戦はあり得ない。三嶋鳴海の記憶でも、高江ミュウは、「そこまでよ、キリデラ・メイ・・・。」と言いながら、霧寺メイに銃を向けて登場している。だが、高江ミュウは戦闘集団に属していないし、霧寺メイのことも初対面と認識しているので、「識域下」でこのような言動に及ぶとは考えにくい。何者かによって暗示をかけられている可能性もあるが、単発的な暗示の場合は、これほどハッキリした言動には至らないだろう。何より、そうした暗示をかける動機を持った人間がいない。伊野瀬チサトは高江ミュウを戦闘場所から遠ざけたいと思っているので、このような暗示操作は考えにくい。リミナリティ側の人間ならば高江ミュウの身柄確保が最優先であり、暗示をかけて芝居させる理由は全くない。また、A世界でのバトルを現世界で再現する動機を持った人間もいない。

あることを無視すれば、ひとつだけ方法はある。高江ミュウが、コデックスを使って強制的に現世界に戻れば良い。「識域下」の時間が殆ど進まないうちに現世界に戻れれば成功である。高江ミュウは、雅堂錬丸の前に常時居たわけではないのだから、21日正午までに、何度も短時間ダイブを繰り返せば、一応の辻褄は合わせられるだろう。そして、21日の正午前に新首都圏電波塔に行き、戦闘中に24時間のダイブを行なえばよい。しかし、高江ミュウの容態に関しては辻褄が合わない。何度も襲われる頭痛、病院で姿が消えかける等は、現世界の24時間後の高江ミュウの容態と極めて良く連動している。今説明した方法では、そのことが全く説明できない。

以上のとおり、どうやっても、高江ミュウの参戦の辻褄が合わせられないのである。

Ψバトル

以下、∫ルート10時の章の描写。

錬丸「ミュウと霧寺がΨバトルを繰り広げていた時、チサトと誕吾は何をしてた?」
鳴海「何をって・・・それは・・・」

高江ミュウがA世界に行ったままならば、21日の新首都圏電波塔で「ミュウと霧寺がΨバトルを繰り広げ」ることは不可能である。Ψを使うにはA世界と現世界を行ったり来たりする必要があるのだから、A世界に行きっぱなしの高江ミュウには、Ψを使うことができないはずである。とすると、三嶋鳴海は、高江ミュウがΨバトルをする所を見ていないはずなのだ。

雅堂錬丸が何か勘違いしていたとしても、不思議はないだろう。何故なら、雅堂錬丸は、バトルの現場を見ていないのだから。しかし、バトルを生で見ていた三嶋鳴海がツッコミを入れないのはおかしい。三嶋鳴海の目前で繰り広げられた霧寺メイと高江ミュウのバトルは、普通の人間の能力を使った普通のバトルであったはずで、Ψバトルではないのだから。どうして、三嶋鳴海は何も疑問を感じないのだろうか。

データベース改ざん

伊野瀬チサトは、現世界でリブロクのデータベースをハッキングして生徒名簿の画像をすり替えること、背景を加工する必要があることを述べている。その後、伊野瀬チサトがA世界から消えたのは9時14分。「そろそろ12分経つ」と言ってから消えたので、伊野瀬チサトの1回目のダイブは12分ルールであろう。ということは、現世界の9時26分に戻っているはずである。そして、その後、9時34分にA世界に戻ってきている。ということは、たった8分でハッキングと画像の加工を終えたことになる。ハッキング可能な機材がある場所への往復だけでもかなり時間が食われるはずである。いくら何でも無理ではないだろうか。

メガネ錬丸の超回復

雅堂錬丸がコデックスを見たのは22日正午であり、A世界の終了は21日正午。それに対して、現世界で雅堂錬丸が伊野瀬オメガに銃で撃たれたのは22日の11時過頃。誰も、A世界の22日の11時過頃を観測していない。よって、伊野瀬オメガに撃たれた雅堂錬丸の傷は回復しないはず。これは、マイナが言っていた机の端で落ちそうなグラスの話である。

ところで、以下、22日正午直前、コデックス再生のカウントダウンを始めたときの描写。

と・・・その時だった。
私はふと・・・あることに気付いた。
錬丸の鼻に何か詰まっている。
引き抜いてみると、それは・・・
鳴海「脱脂綿・・・?」
小さく丸められた綿の塊−。
カラカラに干乾びた血痕が付着していた。

嘘をつくと鼻血が出る雅堂錬丸の性質が、回想シーンを含めて、何度も描写されている。それらと照らし合わせると、この血痕が付着した脱脂綿は、雅堂錬丸が何処かで嘘をついていたことを示唆していると考えられる。では、何処で嘘をついていたのか。様々な描写を検証してみると、次以外に嘘は考えられない。

彼は指先で、私の手の平にモールス信号を送ってきたのだ。


「ダイジョウブ・・・」
「オレハ・・・シナナイ・・・」

そう、雅堂錬丸は、伊野瀬オメガと刺し違えてでも第弐エクリプス計画を阻止するつもりだったのである。雅堂錬丸に気を取られて、三嶋鳴海が失態を冒すことのないよう、嘘をついて安心させたのだろう。

しかし、だとすると、増々、雅堂錬丸の超回復の説明がつかない。また、この後、霧寺メイも、正午にコデックスを見せることで雅堂錬丸が回復すると言っている。霧寺メイには嘘をつく動機はないはずなのだ。やはり、どうしても辻褄が合わない。

A世界

結論から言えば、A世界の有り様については思考放棄するしかない。というか、A世界の存在は、初めから設定に無理があり過ぎた。ただし、作り話では、物語内で整合性を取れさえすれば、非現実な設定も許容される。そして、A世界について物語内で整合性を取る唯一の手段は、A世界の有り様について思考放棄することだけである。A世界の有り様について考察を進める限り、どうやっても矛盾は回避できない。

12RIVEN考察に示したとおり、伊野瀬チサトによる原理説明では、「自我」は物理的に別の場所や時間に飛んで行くわけではない。「識域下」からの情報伝達が遅れるだけであって、「自我」は、本来の時刻の自身の脳内に留まっているのである。エピローグでのマイナとお兄ちゃんの邂逅も、次のマイナによる説明も、この説明と合致している。

マイナ「錬丸くんとミュウちゃんの識域下・・・すなわち本体は、そこにあります」
マイナ「その未来の世界の脳内にあって、24時間前の出来事をシミュレートしているのです」

一方で、「自我」が本来時刻の自身の脳内に留まっているとするならば、脳間リンクでもなければ、A世界の住人同士が邂逅することは説明できない。百歩譲って邂逅できたとしても、A世界時で同時刻に邂逅することが出来ない。何故なら、現世界時が同じでも、それぞれの人のA世界時はバラバラだからである。だから、A世界時で同時刻に邂逅するということは、各住人の現世界時がバラバラとなってしまう。これは、現世界において、時間を超越した脳間リンクが形成されていなければ実現不可能だろう。接触を必要とするマインド・フュージョンが超能力として明示されている以上、それを超える脳間リンクが存在したのでは、先に示した超能力がなんだったのかと言いたくもなる。

また、12RIVEN考察に示したとおり、A世界が現世界を上書きする設定は、A世界も現実であるとする前提に立っている。先のマイナによる説明は、この上書き設定と合致しない。現実とシミュレーションの結果が合わないのは、誰がどう考えても、シミュレーションが間違っているからである。だとすれば、『どっちの歩んできた歴史が、正史として確定するか』なんてことは、言うまでもなく、現実の方である。先にも述べたとおり、二者択一の余地があるのは、双方の実現性をほぼ対等に見ているからである。明らかに一方だけが現実なら、正史として確定するのは現実の方であろう。A世界がシミュレーションであるなら、上書き設定の説明は根本から崩れてしまう。

もちろん、先にも述べたとおり、どんなに科学的に間違っていても、作者が明示的に提示し、かつ、その物語中で矛盾がないなら、それは、その物語中に限って絶対に正しい法則である。しかし、この場合は、明らかにルールが変えられていて、その物語中で矛盾が発生している。最初に明示したルールを変更するのに、変更する旨を明示せずに、気付かれないようにコッソリ変更するのは反則だろう。

結局、A世界が現実なのか脳内シミュレーションなのか、また、「自我」が別世界に言ってしまったのか同世界に留まるのかは、その時々の描写に合わせて都合の良い方を採用するしかない。統一した設定を示せないのは作者の致命的な落ち度であるが、今さら、どう文句を言った所でこの矛盾点が解消するわけでもない。であるならば、考察する上での妥協点として、かなり強引で無理のある解釈ではあるが、設定がコロコロ変わるという設定なのだと割り切るしかない。

真琴の裏切り

雪積真琴は、A世界21日朝に三嶋鳴海宛の自動送信メールを打ちこんだが、このメールに書かれた事実関係を知る機会があったのだろうか。

もしかすると、誕吾こと伊野瀬オメガを囮にしてA世界の高江ミュウをおびき出すことは事前に計画されていたかも知れない。しかし、この計画を決行することは、他の方法が失敗に終わることが確定した時点で決定されたはずである。とすると、現世界21日午前3時半頃にA世界にダイブした雪積真琴は、いつ、計画の決行を知ったのだろうか。

雪積真琴は、死ぬまで現世界に戻って来なかったし、現世界で事前に誰かと会話した様子も見られない。最後に三嶋鳴海と話した事はプライベートな事であり、計画とは関係がない。A世界では、21日朝になるまで行方をくらませていて、何処にいたかは分からない。仮に、この間にΨ使い達と接触していたとしても、Ψ使い達は数分後の現世界から来ているから、この時点で計画の決行を知り得ない。唯一、決行を知りうるのはマイナであるが、そのマイナからは情報を得ていない。

その他、三嶋鳴海が誕吾こと伊野瀬オメガを雅堂錬丸と勘違いする等の事実は、事前の計画からは知り得ないことである。これら知り得ないはずの情報を雪積真琴は何処から得たのだろうか。

主体的関与

最後の方で、主体的関与がないとA世界の出来事を現世界に上書きできない設定が追加される。

マイナ「ミュウを救ったのは、錬丸くんであって、メイじゃない・・・」
マイナ「錬丸くんが介入した歴史だから、錬丸くんが現世界に戻るまでは、発現しないんです」

霧寺メイは、雅堂錬丸にモールス符号で罠であることを教えている。そして、それは、高江ミュウ救出に役立っている。つまり、霧寺メイは、関与の度合いは高くはないが、高江ミュウ救出に間接的に関与していると言える。それでも、霧寺メイが歴史を上書きできないのならば、「介入」が示す意味は、出来事への関与度が高いことを表しているはずである。

霧寺メイは、長くても13分以下のショート・ダイブだけを行なっていると推測されるが、少なくとも、21日18時半〜19時頃の病院前銃撃戦までに現世界に戻っているのは間違いない。だから、霧寺メイが歴史を上書きすると、現世界21日に高江ミュウが超回復し、鳴海視点の描写と食い違ってしまう。そうならないように、新たな設定を追加したのだろう。しかし、この設定により、他の部分に矛盾が生じてしまう。

まず、高江ミュウの髪の色と指輪を伊野瀬チサトが現世界に上書きしているが、これらはA世界での出来事に伊野瀬チサトが直接的にも間接的にも関与していないので、伊野瀬チサトには現世界への上書きはできないはずである。雅堂錬丸の眼鏡も同様である。また、雅堂錬丸のリブロク制服と学生証は伊野瀬チサトが用意したが、実際に着替え作業を行った中心的人物は雅堂錬丸であり、伊野瀬チサトの関与の度合いが十分かどうか、少々、疑問が残る。雪積真琴が高江ミュウを殺すことについても、雪積真琴が死んだり現世界に戻れないのでは意味がなくなってしまう。*4

そもそも、高江ミュウの最後の回復は、雅堂錬丸が高江ミュウを上書きしたのか。それとも、高江ミュウ自身が自分を上書きしたのか。高江ミュウ自身が自分を上書きしたとすれば、このような設定を追加する必要はなかったのではないだろうか。身につける物の上書きは他人にも出来るが、肉体の上書きは本人しか出来ないという設定で良かったのではないか。それでも、敢えてこのような設定を追加したのは、他者による肉体の上書きが可能な設定にしたかったからなのだろうか。もしかすると、それが、Ψバトルにおいて重要な役割を果たしているという設定なのだろうか。

ミュウの嘘

高江ミュウは8年前にΨを封印したと言っている。A世界のことについても良く分からないと言っている。しかし、20日正午のホテル・グランティスにおいてディビジョンを再生したのは明らかに高江ミュウの仕業である。どうして、高江ミュウは嘘をついたのだろうか。記憶も封印してるなら封印したこと自体を憶えていては矛盾が生じる。事実、忘れたかったと言ってはいるが忘れたとは言っていない。頻繁にΨを使ったことがあるなら、A世界に人がいないことも知っているはずである。高江ミュウが嘘をついた動機は何だったのだろうか。

メイの裏切り

A世界21日の昼前、新首都圏電波塔で、伊野瀬オメガはトラブル弾を3発浴びた*5。打たれる瞬間を目撃していなくても、状況判断から犯人が霧寺メイであることは明らかである。というか、あれだけ大声で叫んでいればバレバレだろう。つまり、伊野瀬オメガは、この時点で霧寺メイが裏切ったことを知ったはずである。12RIVEN考察でも説明したとおり、21日の伊野瀬オメガのダイブ時のロープ長は短いので、現世界21日午後には、霧寺メイの裏切りを察知しているだろう。それなのに、どうして処罰しなかったのだろうか。A世界で高江ミュウを殺さなかったから、情報を漏らしたからという理由で雪積真琴を粛正している。それならば、霧寺メイを放置するのは矛盾している。

霧寺メイはΨの使い手であるから、簡単には手を出せない。とは言え、Ψクリミナルのリーダーを解任することはできるはずである。何故なら、伊野瀬オメガは上部組織リミナリティのボスの直属の部下だからである。トラブル弾を3発浴びたとはいえ、現世界21日15時前後に雪積真琴を殺害しようとしたことから、この時点では、伊野瀬オメガは動けるようになっているはずである。それならば、18時半〜19時頃の病院前銃撃戦以前に、霧寺メイを解任できたはずである。それなのに、霧寺メイはΨクリミナルを引き連れて銃撃戦を行なっている。これは、一体、どういうことか。

Last modified:2010/05/01 21:36:57
Keyword(s):[12RIVEN]
References:[12RIVENレビュー] [12RIVEN考察]

*1 怪我の程度が妥当かどうかは分からないが、至近距離で破裂したなら意識を保てないはず。

*2 反動で腹に当たった銃が跳ね返って、再度、引き金が指に当たって銃が発射されている・・・ように見える。これ、笑うトコ?

*3 何処からどう見ても作者の見落としなのは明らか

*4 高江ミュウの自我を殺せば目的は達成できる

*5 トラブル弾を浴びながら逃亡した伊野瀬オメガの根性は凄い