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Remember11考察 優希堂沙也香

このページはRemember11考察の一部です。全体像はRemember11考察をご覧ください。

前置き

優希堂沙也香の正体は誰か?・・・って、結構、あちこちの考察サイトとかで言われてるわけだけど、皆、肝心なことを忘れてないだろうか。 そう、TIPSに優希堂沙也香は死んだと明記されているのだ。 優希堂沙也香の正体とは、TIPSの「死」が言葉通りの意味ではないと強引な解釈することで成り立っているわけであり、TIPSの「死」が言葉通りの意味だったら全く検討外れのことを言っていることになる。

Infinity plusのPremium Bookのインタビュー記事によれば、どうやら、言葉通りに死んでいるようだ。

中澤 直接的な描写はさすがにお蔵入りになってしまったのですが、行間でそういうことがあったのだと思ってください。普通に考えるとありえないですよね。可愛い妹ですし。だから悟自身も分からないんです。自分が何故彼女の命を奪う必要があったのかと。それで思い悩んで、「ひょっとして俺は、あの時“何か”に操られていたのではないか」という結論に至る。その“何か”が“アイツ”です。そこから復讐のためにユウキドウプロジェクトが動き出す、と。

言葉通りの「死」ではないならば、「自分が何故彼女の命を奪う必要があったのか」と思い悩む前に、どうすれば、彼女を救えるかと悩むのではないか。 自分の行動に言い訳できる理由を見つけるために思い悩むのは、本当に死んでいるからではないのか。 「死」が言葉通りの意味ではないとすると、「妹はまだ生きている」と考える余地が多分に残されているはずであり、「“何か”に操られていた」という結論に至るのは明らかにおかしい。

とはいえ、このインタビュー内容が後付け設定ではないとは断言はできない。 しかし、やはり、「死」が言葉通りの意味ではないと解釈するのは、かなり強引だろう。 それを踏まえたうえで、考察しなければ、荒唐無稽な結論に突っ走ってしまう。それでも、優希堂沙也香の正体を論じるなら、そう考えないと不自然な描写が必須だろう。

考察の残骸

前項のとおり、TIPSの「死」が言葉通りの意味であることはほぼ確実なので、以下に示す考察はお遊び以上の意味はありません。

冬川こころ説

優希堂沙也香の正体は犬伏景子説だとする説がありますが、それよりもっと有力な説があります。 公式掲示板には、冬川こころ説が投稿されました。

この説の最大の根拠は誕生日です。 山小屋サイドと雪山サイドで、一対一で対応する人物は全て誕生日が同じです。 合計三組の誕生日がピタリと一致する理由は何でしょうか。 常識で考えて、何か合理的理由があるとはとても思えません。 とすると、極めて陳腐な設定です。 では、何故、そのような陳腐な設定にしたのでしょうか。 この三組の中で、優希堂悟と冬川こころの組は、生年月日までピタリと一致します。 もし、この陳腐な設定が二人の生年月日の一致をカムフラージュするための物であると考えると、これはこれでシナリオの都合上は意味のある設定ということになります。 では、生年月日の一致をカムフラージュしなければならない理由は何でしょうか。 それは、二人が実の双子だからではないのでしょうか。

運命共同体

物語で、優希堂悟(主人公)と冬川こころは、EPRペアに準えられています。 EPRペアが同時に生まれた運命を共有する双子としての紹介されていることから、これは、優希堂悟と冬川こころが実の双子であることを示唆しているかのようにも見えます。

以下、ココロ編エピローグの描写。

悟は、私にとって不可分の存在。
わかつことのできない、双子のような運命共同体

この描写でも、優希堂悟(主人公)と冬川こころが「双子のような運命共同体」に準えられています。

プロローグの回想シーン

さて、プロローグの回想シーンは冬川こころのものでしょうか。 あるいは、優希堂悟のものでしょうか。 この手の描写の約束事があります。時間や場所が変わる場合は、その旨を明示しなければなりません。 それが回想シーンならば、誰の回想か明示しなければなりません。 そして、シーンの内容から回想者が明確にならない場合は、前後に回想者の視点もしくは回想者自身が映すことで回想者を明らかにします。 ・・・という約束事に照らし合わせると、あの回想シーンには登場する人物を特定する情報がないため、シーンの内容からは回想者が特定できません。 少なくとも、TIPSを100%閲覧可能にするまでは、回想の少女が優希堂沙也香であると特定できません。 TIPSを100%閲覧可能にするには、フルコンプが必須であり、それではグッドエンドを見た状態で止めた人には何も情報が提示されないことになります。 あれだけ複雑な展開でありながらバッドエンドも含めてフルコンプしなければ見ることができない情報を必須とするのは、いくら何でも反則でしょうから、この場合は、TIPSの情報は除外して考えるべきでしょう。

仮に、回想シーンが優希堂悟のものだったとすると、あの段階の回想内容としての必然性に謎が残り、それはフルコンプしても解消されません。 恨みの記憶を想い出すなら必然性が認められますが、それならば、どうして、優希堂沙也香が死ぬ時を想い出さないのでしょうか。 また、単に優希堂沙也香を愛おしんだだけとしても必然性が認められますが、それならば、どうして、もっと楽しいことを想い出さないのでしょうか。 いずれにせよ、フルコンプしなければ圧倒的に情報が足りず、フルコンプしても未だ情報が不足するのでは、お粗末過ぎます。 もし、初めから必要な情報を提示しないつもりだったなら、それは、地の文で嘘をつくのと同様の反則技なので、その可能性は除外して考えます。 考察の基本原則に書いたとおり、駄作前提の考察はしません。

ということは、回想シーンの前後から判断しなければならず、回想シーンの前後が冬川こころの視点であることから、冬川こころの回想であると考えられます。 だとすると、回想シーンの視点が本人から離れた所にあることになりますが、それはドラマ等では良く用いられる手法なので、何ら問題がありません。 また、冬川こころの回想であれば、犬伏ファイルからの連想で説明がつくので、シーンの必然性としても申し分ありません。

あの段階では、冬川こころには「回想の少女」との面識が無いと読み取れます。 また、その後も、回想シーンは完全に無視されています。 あれが冬川こころの回想だとするなら、これは、どういったことなのでしょうか。 このことから、何らかの理由で、冬川こころの優希堂沙也香に関する記憶が封印されていると推測できます。 そして、潜在意識の中で回想してはいるものの、それが顕在意識として認識できず、回想そのものが無かったことになっているのではないかと思われます。 では、何故、記憶が封印されているのかと考えると、実は、冬川こころこそが優希堂沙也香だからではないのかとの疑いが生じます。

血液型

残念ながら、優希堂沙也香と冬川こころの血液型が一致しませんが、「もし、犬伏の誕生日がプロフィールとは違ったものだったら、この問題は解決される」のであれば、同様に、優希堂沙也香の血液型も「プロフィールとは違ったものだったら、この問題は解決される」ことになります。 *1

確率的不自然さ

偶然の一致でも十分に説明がつくのであれば一致することに特別な意味を見いだす理由が無いと言ってるだけです。 誕生日や血液型が一致する確率は次のようになります。

  • 10人中3組以上の誕生日が一致する確率は0.006%以下
  • 指定した3組の誕生日が一致する確率は約0.000002%
  • 10人中1組以上のABO式血液型が一致する確率は100%
  • 指定した1組のABO式血液型が一致する確率は25%*2

10人のうち誕生日が同じ者がいる確率は約11.7%(計算式はWikipedia:誕生日のパラドックスを拝借)。 単純計算すれば、3組が一致する確率は(10人で一致あり)×(残り8人で一致あり)×(残り6人で一致あり)÷6*3=約0.006%(3人以上一致=残り人数が減る場合等を考慮してないので厳密にはもっと低い)。 さらに、指定された3組に限定するなら、(1/365)^3=0.000002%。一方で、ABO式の血液型は4通りしかなく、10人いれば全員不一致はあり得ず、一致する者がいる確率は100%。指定した1組が一致する確率も25%。

この数値を見ると、登場人物が10人*4いれば、ABO式血液型が一致する人間がいないと辻褄が合いません。 よって、血液型は一致するのが普通であり、それでは、一致させても何かの意図を示唆することはできません。 一方で、このうちの3組の誕生日が一致することは、偶然の一致では説明が困難です。 正確な確率計算をしているかどうかはともかく、このような一致が起こることが確率的に極めて低いことは作者も分かっているでしょう。 分かっていて敢えてこのような設定を持ち込んだからには、一致させることで何らかの特別な意味を示唆しようとしていると考えられます。 意図的に思わせぶりな設定を持ち込んでおいて、「実は唯の偶然でした」では反則でしょう。

ひとつだけ、血液型と誕生日の不一致を完全に解決する方法があります。

最も高度な答え

誕生日も血液型も含めて、与えられた情報に矛盾がない答えが一つあります。

  • 優希堂沙也香の肉体=犬伏景子の肉体
  • 優希堂沙也香の人格=冬川こころの人格

転移装置による人格交換というギミックを考えれば、このような可能性も十分にあり得ます。

  • 個人の定義は人格に依存する物であるから誕生日は人格のデータが適用される
  • 血液型は肉体に付随する物であるから肉体のデータが適用される

こう考えれば、データの矛盾が見事に解決されます。 尚、優希堂沙也香が死んだとされる当時に転移装置があったかどうかについては、Remember11考察 犬伏景子をご覧ください。

最大の根拠は捻り具合です。 犬伏景子説にしても、冬川こころ説にしても、どちらの説も、声優や誕生日等、比較的見つけ易い情報から、かつ、単純な事項の考察から答えが導けます。 これでは、謎解きがあまりに簡単過ぎます。 ヒントを出しておきながら、最後まで答えを悟らせず、いざ、答えを明かした時に「これは凄い」と唸らせるという展開を狙うなら、もっと捻りが必要です。 とはいえ、事前に明かされていない情報がなければ答えを知りようがない・・・というのでは反則技です。 その点で、両者合体説はちょうど良いくらいの捻り具合です。 犬伏景子説と冬川こころ説を転移装置と結びつけるという発想ができて、かつ、その発想によって両説が両立するという結論を導けなければ辿り着けないので、捻り具合は申し分ないでしょう。 また、誕生日、血液型、転移装置、人格交換等、既に提示された情報だけから答えを導けることも明らかです。

Last modified:2015/10/02 10:15:54
Keyword(s):[Remember11考察]
References:[Remember11考察(旧)] [Remember11考察]

*1 「ライプリヒ製薬の権力が影響すればその問題は解決される」、つまり、犬伏景子説の誕生日の不一致がライプリヒ製薬による記録の改ざんで説明がつくのならば、冬川こころ説も同様に改ざんで説明がつくはずです。

*2 各型が均等である場合

*3 3組をそれぞれα、β、γと定義すると、αβγ、αγβ、βαγ、βγα、γαβ、γβαの6通りを重複して数えているので6で割る必要がある

*4 TIPSにプロフィールのある人物に限る