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!ネタばれ回避方針
このページは、未だプレイしていない人が、購入の参考に見ると思われるので、極力、ネタばれはしないように注意したい。でも、ネタばれしちゃったら'''ごめんなさい'''で。

あと、以下はリメイク前の作品に対する評価であるので、リメイク後には当てはまらない可能性があります(リメイクでは大幅な文章の手直しがあるらしい)。
!概要
トリック作品として紹介されることがありますが、トリックの成立条件を満たしていません。
その詳細は[[トリックの条件|叙述トリックの条件]](ネタばれ有)で解説しています。
とはいえ、Ever17という作品に失望する必要は全くありません。
というのも、'''Ever17の最大の醍醐味は、トリックではなく、大きく広げた風呂敷の畳み方'''にあるからです。
!プレイ時の心構え
たった一つの基本原則、それは、プレイ前はこのゲームをギャルゲーだと思うこと。
事実、このゲームは推理アドベンチャーではない。
前作Never7は考察要素もあるギャルゲーだったけど、Ever17も同じと思っていると間違いない。

決して、秘密を解いてやろうと思ってはいけません。
確かに、このゲームには秘密があります。
しかし、その'''秘密を事前に解こうとすると、このゲームは全く楽しくありません'''。
あるがままの展開に身を任せて、然るべき時に秘密が明らかにされてこそ、このゲームは面白くなります。
そのように計算されて作られているのです。

秘密を事前に解とうとしても、絶対に真相には辿り着けません。
それはトリックが見事だからではなく、内容の複雑さに比べて圧倒的に量が足りない情報からは真相を予測することが不可能だからです。
無限の可能性の中から、手掛かり無しにひとつに絞り込むのは原理的に不可能です。
しかも、プロの作家が考えるシナリオを素人が予測するのは極めて困難です。
'''無理に答えを探そうとすれば思考が迷走し、シナリオを楽しめなくなくなります'''。
余計な詮索は逆効果にしかなりません。

とはいえ、何にも考えなさすぎでも困ります。
伏線として用意された描写を見逃し過ぎると、何のことかサッパリ分からなくなります。
目を見開き、聞き耳を立て、情報は一つ残らず回収しつつ、あまり深いことは考えない・・・という姿勢がベストです。
とくに、以下の描写については良く観察しておきましょう。

*各種記録等や会話中の日時表現
*両視点の登場人物やLeMU崩壊状況等の差
**それぞれの視点で居る人居ない人
**両視点の小町つぐみの態度の違い
**両視点の田中優の性格等の違い(例:オカルト関係)
**浸水状況の差
*重要な会話内容
**武視点序盤での茜ヶ崎空による次元に関する説明
**少年視点序盤での小町つぐみによる敵対理由の説明
**少年視点中盤での田中優による第三視点の説明
**少年視点終盤での小町つぐみと茜ヶ崎空の脱出方法議論

あと、必ず、武視点を攻略してから少年視点を攻略してください。
でないと、一部のシナリオ展開の理解に支障が生じます。
一説には、オープニング・ムービーの登場順が標準攻略順序だとか言われています。
また、武視点を攻略するときは、必ず、最初から初めてください。
ショートカットを使うと超高確率(というか、100%?)でバッドエンドになります。
既読スキップ機能を利用すれば、最初から初めても大した時間はかからないはずです。
!プラス評価点
!!風呂敷の畳み方
本作品の見所は次のとおり。

*裏切り者は誰だ?
*何の為にこんなことを?

Ever17の唯一にして最大の長所、それも他に類を見ないほどの素晴らしさは、'''辻褄を合わせるのが難しい設定において、主要部分の辻褄を見事に合わせた'''ことです。
超科学設定に基づくトリッキーで複雑なシナリオでありながら、物語の辻褄がキッチリ合っています。
辻褄合わせの難しいケースであるはずなのに、大筋では何ら矛盾するところがありません。
そのバランス感覚の素晴らしさに感動することでしょう。
最終シナリオで答え合わせがあるわけですが、事前説明のない唐突な答えはひとつとしてありません。
全て、事前に複数の伏線として示されていることであり、「なるほど、そういうことか」とプレイヤーを納得させる内容です。

最終シナリオの中盤辺りから答え合わせが始まります。
一つ答えが示されると、一つ疑問が産まれる。
そして、その疑問に答えが示されると、また、新たな疑問が産まれるという繰り返しで、徐々に核心に迫って行きます。
そして、クライマックスで一気に爆発します。
この過程が非常に気持ちいい。
もちろん、それらの答えは、全て、前述の通り、事前に伏線が張られており、誰もが納得できる答えになっているはずです。
だからこそ、気持ちいい。

//事件が人為的に引き起こされたなら、その裏にはどんな悪意が隠されているのか、大企業の陰謀か、あるいは、マッドサイエンティストの好奇心か、プレイヤーにそう思わせます。
//そして、最後の方で、首謀者の正体が明かされ、誰を信じて良いか分からなくした後に、真相が明かされるのです。
//単純明快なシーンを用いて難しい理屈を馬鹿にも分かるように説明し、純粋な人道的計画だったこと、他の方法では目的が達成できないことをプレイヤーに納得させ、
//狂気の沙汰としか思えないような計画でありながら、その実、冷静な思考で慎重に計画が進められてきたことが明らかになります。
//そして、真相が明かされることで、この時が来るのを長く待ちわび、一所懸命準備し、敢えて心を鬼にして獅子を戦陣の谷に突き落とした'''首謀者達の苦悩'''も、極自然かつ即座に想像できます。
//
//*絶対的に信頼できる味方だったはずの人物=首謀者の真意は何処にあるのか?
//*首謀者は、本当に、ライプリヒの手先に成り下がったのか?裏切り者なのか?
//*首謀者は、何故、事故を偽装して皆をLeMUに閉じ込めたのか?

主人公達を納得させるだけの合理的な理由などあり得ないと事前に思わせながら、種明かしでその合理的理由をこれ見よがしに見せつけるのです。
そして、きちんと辻褄が合っているから、語られた真相には疑う余地は全くありません。
'''単に辻褄がピッタリ合うだけでなく、詳細に語られなかった部分を含めてその瞬間に全てを理解できる'''、それは、種明かしの感動が一瞬に大爆発する、そう表現するのが適当だろうと思えます。

これらの答えを事前に解き明かしてやろうと思ってはいけません。
情報が足りないのに無理に答えを探そうとすれば思考が迷走し、シナリオを楽しめなくなくなります。
あるがままに身を任せ、自然に明かされるときを待つ、それが、最もゲームを楽しめる道です。
!!!設定に頼り切らない
[[12RIVEN|12RIVENレビュー]]と比較すると、Ever17の長所が良く分かります。
Ever17も12RIVENも、どちらも、物語に超科学設定を導入しています。
しかし、そうした超科学設定の使われ方は180度違います。

*Ever17は、シンプルでありふれた超科学設定を上手に'''活用して'''シナリオを組み立てている
*12RIVENは、複雑で風変わりな超科学設定に'''頼り切って'''シナリオを組み立てている

Ever17で使われている超科学設定は使い古された設定であり、あまり手を加えずにそのまま利用しています。
そして、その設定を仄めかす伏線を事前に提示してあり、[[完全先付け設定|物語の条件]]としています。
そうした設定を踏まえて、登場人物の行動などの現実的部分の描写を工夫して、シナリオの辻褄を合わせています。
シナリオの都合に合わせた「御都合主義的」超科学設定に頼らずに、セオリー通りの組み立てでキッチリ辻褄を合わせているから、素直に凄いと感心できます。

一方で、12RIVENでは、シナリオの都合に合わせるために設定の彼方此方をアレンジしているため、超科学設定が複雑になり過ぎです。
かなり複雑であっても、現実の科学理論や常識的論理に沿った複雑さであれば、止むを得ない。
しかし、作者の妄想理論をそこまで大量に添加するのは、さすがに、作者特権の濫用でしょう。
そして、事前に設定内容を仄めかす伏線が一切なく、答え合わせの段階になって唐突に妄想理論が提示されます。
さらに、作者特権を濫用しておきながら、シナリオと設定の辻褄が完成していない。
それでは、何のための濫用なのか、本末転倒でしょう。
辻褄を合わせる気が無いのなら、妄想理論を排除して、もっとシンプルな設定にすれば良い。
無駄に複雑な設定を導入しておいて、その目的を達していないという中途半端なことをするから、酷評されるのです。
!!人物描写
Ever17は、単なる設定やエピソードだけの物語ではありません。
'''個性的な登場人物が生き生きと描かれています'''。
性格、境遇、それらと照らし合わせて、各キャラの言動、感情表現等は極めて合理的です。
彼(もしくは彼女)の立場において考えれば。それぞれの行動は極めて自然な行動です。
真相を隠すための一部の不自然な言動を除けば、エピソードの都合で不自然に踊らされているような印象は受けません。
彼(もしくは彼女)らは、自身の意思にも基づいて、極めて、自然な行動を取っており、プレイヤーとしても、感情移入や共感がしやすいでしょう。
!!大団円
以上のとおり極めて複雑なシナリオながら、'''最後はキッチリ大団円'''なので、終わり方が非常に気持ちいい。
!ゼロ評価点
!!緊張感に欠ける?
世間では、最終シナリオは面白いが、途中が中だるみし過ぎと言われています。
一見、サバイバル・アドベンチャーと考えると、海底に閉じ込められて危険が迫っているにしては緊迫感や緊張感が欠けているように見えます。
しかし、'''登場人物の行動は台詞内で説明されたとおり、合理的理由がある行動(無理して故意に明るく振る舞ってる)です'''{{fn ('合理的理由に反して主人公がおかしな行動を取りまくるRemember11と比べれば、マシではないでしょうか。')}}。
各自が自分に出来る範囲の役割をキッチリこなしており、それは状況を考えれば理に叶った行動です。
一般の来訪者には、限りなく人間に近い人工知能&メモリに蓄積された大量の情報&高度なコンピュータ処理能力に太刀打ちできるはずも無く、館内の問題は茜ヶ崎空に任せる以外にない状況です。
圧壊に次いで閉鎖空間で正気を失うことによる自滅も危険なことであり、ストレス解消に努めるのはその時点で助かるために出来る最大限の努力であると言えます。
事実、一部の人物はストレスで変になりかけています。
これらの行動を持って緊張感がないと言うのは、物語をちゃんと見ていないのではないでしょうか。
また、圧壊の時刻が刻一刻と迫っていることを示すサインは何度となく表現されており、危機が迫り来る様子は感じ取れるので、緊迫感は十分にあるでしょう。{{fn ('迫り来る危機の表現が殆どなくて唐突にバッドエンドになるRemember11と比べれば、マシではないでしょうか。')}}。

それでも、「中だるみが我慢ならない」という人も居るかもしれません。
それならば、ギャルゲーだと思いましょう。
気に入ったキャラを攻略するのがメインで、シナリオはオマケだと割り切ってください。
最終シナリオに行くまでは・・・。
とはいえ、優編以外はギャルゲーにあるまじき終わり方なのですが。
とくに、沙羅編が反則級。
あまり詳しく言うとネタばれになるので、この辺で。
!!メタフィクション?
Ever17が[[メタフィクション|Wikipedia:メタフィクション]]であるかどうかは諸説あります。
詳細は[[Ever17考察|Ever17考察 プレイヤー]](ネタばれ有)で解説しています。
Ever17をメタフィクション作品として見ると、メタフィクション設定に全く説得力がありません。
Ever17においてメタフィクションの根拠とされる描写は、全て、非メタフィクションとして説明可能です。
Ever17の描写は、全て、物語の登場人物が物語世界の中で行動したことを記述しているだけです。
Ever17では[[第四の壁|Wikipedia:第四の壁]]が破られることはなく、物語世界がフィクションであることの自己言及も、物語世界の外の世界への言及も一切ありません。
主人公が[[プレイヤーキャラクター|Wikipedia:プレイヤーキャラクター]]であることを根拠にメタフィクションとされているようですが、Ever17の物語の設定上、主人公とプレイヤーの間には明確な隔たり(主人公の重大な意思決定にプレイヤーの意思を反映できないことが多い、プレイヤーを呆れさせる主人公の行動が多すぎる等)があり、両者を同一の存在と見なすことは不可能です。
以上のとおり、メタフィクション的な説得力が著しく欠けているため、Ever17をメタフィクションと見なしても、プラス評価する余地は全くありません。
素晴らしいメタフィクションを期待するなら、他の作品を探した方が早いでしょう。
!マイナス評価点
!!誇大広告
パッケージや説明書には次のように書いてあります。

""徐々に失っていくもの:食料・水・酸素。

これを読むと、食料・水・酸素が不足する状況が予想されますが、実際は、全く不足しません。
食料は、竜田サンドだけならば、最後まで余るくらいあります。
水や酸素が不足するような描写もありません。
その他、概略説明を読むとパニック物のような印象を受けますが、起きたトラブルに対しては、比較的冷静に淡々と対応しており、極一部(武視点の開始部分等)を除いてパニック描写はありません。
!!真相の隠し方
Ever17は開始早々、システムがプレイヤーに大嘘を吐きます。
一方で、システムが嘘を吐いている=隠された真相があることを示すヒントは、開始早々から何度も提示されています。
そして、ヒントに対抗する手段として[[志村現象|http://p17n.com/miyu/diary200403.html#ad20040319]](主人公が不自然なまでに真相から目を背ける現象。読者的に「[[志村|Wikipedia:志村けん]]!後ろ!後ろ!」と言いたくなる。)が目に余ることはEver17の唯一にして最大の欠点でしょう。
'''普通に状況判断すれば誰でも気付くようなことについて、主人公は不自然なまでに無視'''し続けます。
ゲームの序盤から中盤にかけて、読者は、真相までは分からないとしても、何か隠された事実が多々あることに気付きます。
そして、真相追求のために確認しておかなければならない事項も整理できるでしょう。
しかし、主人公は、それら一切に気がつきません。その様子は、故意に真相を闇に葬り去っているかのように不自然です。
これは、読者をかなりイライラさせます。
真相が明らかにならないのは、読者がトリックの存在に気付かないからではなく、主人公が真相から目を背けるためです。
読者に謎の存在を悟られているのに、真相を明かす時期をズルズルと引き延ばすのは、シナリオの時間的水増し工作に過ぎません。
あっと驚くトリックを期待するのであれば、[[シリーズを超えたゲーム]]で紹介するゲームをやった方が良いでしょう。
//!!叙述トリック?
//Ever17の主要部分を叙述トリックと呼ぶのはかなり無理があります。
//何故なら、読者には、両視点の物語が同一の出来事ではないと早々に分かってしまうからです。
//また、トリックと呼ばれる部分の主要な構造は、'''計画の首謀者が主人公に仕掛けたトリック'''です。
//作者から読者に仕掛けたことは、主人公が元から知っている情報および劇中で手に入れた情報の一部だけを恣意的に選別して読者に見せているだけです。
////【[[参考|http://www5a.biglobe.ne.jp/~sakatam/text/jojutsu.html]]】
////【[[参考1|http://hmc00.hp.infoseek.co.jp/m7/kasumi1.html]]】
//詳細は[[叙述トリックの条件]](内容はネタバレ)に記述するとして、結論だけ述べると、'''単なる秘密設定か、あるいは、アンフェアな「半叙述」詐欺のどちらかであり、作品を評価する材料としてはゼロかマイナス'''にしかなりません。
//
////ギャルゲーだと思わせた仕掛け、
//尚、システムの特性を逆手に取った仕掛け、極一部の台詞等に叙述トリックと呼べる物はあります。
//しかし、これらは、比較的些細なトリックであり、主要なトリックとは言えません。
//正確に言えば、主要な謎に便乗して些細な部分で叙述トリックを仕掛けていると言った方が正しい。
//
//このゲームの最大の醍醐味はトリックではない。
//一部の人に叙述トリックと言わせる一連の描写は、Ever17のシナリオの主要部分を担っていることは確かです。
//しかし、超科学設定と偶然の産物と主人公の不可解な言動というご都合主義的設定によって成り立っており、先付け設定の制約の中で組み立てているわけではないから、「トリック」を成立させる要素には何ら見るべきところがありません。
//内容の方向性として興味深いとは言えますが、感心するような凄いトリックではありません。
//
////'''ちょっと待てーっ!!!'''「最大の謎」は心理トリックで見せながら隠しているとさっき言ったじゃないか・・・と思うでしょう。
////しかし、これは、ある意味、最大の謎であって最大の謎でない。
////というのも、この謎の答えは一種の[[デウス・エクス・マキナ|Wikipedia:デウス・エクス・マキナ]]だからです。
////だから、答えが存在することは上手に隠蔽されているけれど、答えの中身は事前に知りようがない。
////謎と呼ぶためには、用意されたヒントから推測できなければならない。
////推測不可能であれば、それは謎ではなく秘密と呼ぶのが正しい。
////よって、この「最大の謎」は、存在自体は「謎」であっても、その中身は「謎」ではなく「秘密」です。
//
////さらに言えば、「最大の謎」の中身について、他の謎に関わる部分は、違う方面からヒントが与えられます。
////そして、「最大の謎」の中身全体が明かされる前に、他の謎に関わる部分は答えを提示されます。
////つまり、謎を解き明かすためには、「最大の謎」の中身は、全く何の役にも立たない。
////つまり、数のうちにも入らない謎ってことです。それでは、どうしてそれが最大の謎と呼べるのか、それは、ご自分の目で確かめていただきたい。
//
////ということで、純粋に物語を楽しみたいなら、余計な詮索はしない方が良いでしょう。
//!!力技
////2人の人物から主人公を選べるシステムは、一見、【1つの出来事を2人の人物の目から見た物語】を演出しているように見える。
////しかし、'''それぞれの主人公の経験が完全に同一の出来事でないことは、開始早々から明らかとなっている'''。
////そして、最終シナリオで明かされる真相は、やはり、同一の出来事でないという事実である。
////真相と食い違うことを読者に信じさせてこそのトリックであろう。
////読者の認識と真相が一致しているのではトリックとなっていない。
//
//2つの物語が同一の出来事でないのは誰の目にも明らかだが、具体的な両者の関係は最終シナリオまで明かされない。
//しかし、'''真相に近づけないのは、必要な情報が隠されているから'''であって、トリックを用いているからではない。
//これは、例えるなら、金庫に答えを隠しているのが丸わかりだけど、錠が開けられない状態だろう。
//答えが金庫にある事実が分かり易すぎるから、金庫に注目しない人は居ない。
//しかし、事実上、金庫の硬度は∞で、錠も鍵なしで開けることは不可能である。
//金庫や錠を堅牢にすることは、作者特権で容易に実現できることであって、高度な技術を必要としない。
//その堅牢さは、子供にでも作れる物であり、何ら感心する要素がない。
//本来、トリックとは、次のように、盲点をついて真相を隠すことを言う。
//
//*金庫に答えがあると思わせて、実は、鍵の掛かっていない引き出しに答えを隠している
//*金庫に答えを隠しているにもかかわらず、扉を開けても答えは見つけ難い(例:二重底)
//
//'''読者に逆らう手段がない作者特権という絶対的力技で真相を隠蔽することをトリックとは言わない'''。
////!!とある秘密
////実は、このゲームのとある秘密は、大胆にも、初めから答えが明示されています。
////しかし、そのための仕掛けは表現上の約束事に偽装されているため、殆どのプレイヤーは、その秘密の存在に気づかないでしょう。
////
////この仕掛けに文句を言う人もいます。
////確かに、この仕掛けに隠された秘密は事前説明のない唐突な内容です。
////しかし、その内容は、フィクションだから、作者がアリと言えば、何でもアリで良いのです。
////存在の事前説明すらなしに、後から唐突に秘密を明かすのが後付け設定=反則技なのであって、秘密があることを事前に匂わせているのであれば、その詳細を後から明かしても先付け設定=正当技です。
////このゲームにおいては、この秘密の核心となる情報を開始早々に提示しており、それは先付け設定=正当技です。
////
////この仕掛けは、秘密を隠すための容器に過ぎません。
////大事なのは、この仕掛けの詳細ではなく、隠された秘密の内容を土台としたシナリオ展開にあります。
////'''この仕掛けそのものには大きな意味はなく、ただ、そこに隠された秘密が大きな意味を持つ'''だけです。
////というより、時が来るまで反則技にならない方法で秘密を隠すための仕掛けを用意したに過ぎないと言った方が正しい。
////そして、そこに隠された秘密は、Ever17の主要部分と密接な関係があります。
////Ever17の主要部分が叙述トリックと勘違いされるのも、仕掛けと秘密の重要度の取り違えが理由にあるのかもしれません。
////
////そして、何度も言うように、この仕掛けを事前に解き明かしてやろうと思ってはいけません。
////情報が足りないのに無理に答えを探そうとすれば思考が迷走し、シナリオを楽しめなくなくなります。
////'''あるがままに身を任せ、自然に明かされるときを待つ'''、それが、最もゲームを楽しめる道です。
//!!誤評価の原因
//Ever17を「優れた」トリック作品である言う人は、'''伏線の過小評価とトリックを誤認'''しているのだろうと思われる。
//ギャルゲーだと誤認したために重大な伏線を過小評価し、隠された真相に対する思考を停止した、その結果として、作品中で明かされるまで真相の存在に気付けなかった・・・ということだろう。
//そして、思考放棄していたが故に、隠された真相の提示に驚いたのだろう。
//その結果、[[頭が真っ白になって|http://www.youtube.com/v/tVm_FkJfuj8&hl=ja&fs=1]]、自分自身の認識を取り違えたのだと推測される。
//ようするに、真相を示す数々の伏線に気付いていなかったのではなく、ギャルゲーだからという理由でその伏線が些細な情報だと決め付けてしまったということである。
//しかし、それは、トリックとは言えない。
//何故なら、'''両視点の出来事が同一だと断定する根拠がない'''からである。
//真相と違う認識を読者に植え付けるならばトリックとなるが、真相を棚上げさせることはトリックとはならない。
//喩え話で言えば、次の前者はトリックだけど、後者は単なる意外な展開=秘密の真相でしかない。
//
//*X=1と思っていたら、実は、正解は2だった
//*Xの値が分からない、というか、解答が用意されてないかも知れないので棚上げしていたら、実は、予想外の解答があった
//
////実際の所、'''思考停止手法を用いても、Ever17が【同一の出来事を二人の視点で見た物語】と思わせることはできない'''。
//両視点の出来事は、量的にも質的にも違いが大きすぎ、それを示す伏線も序盤から沢山示されている。
//それら伏線が示す出来事の相違点は、【ギャルゲーに良く見られるルート間の矛盾】(以下、「ギャルゲー設定」){{fn 出来事の違いは各ルートの世界の外における違いであって、各ルートの世界の中の出来事は常に1つ=特定のルートの世界内には他のルートは存在しない・・・とするのが標準解釈であろう}}の域を超えてしまっている。
//さすがに、登場人物が全く別人になってしまうことは、ギャルゲー設定でも例を見ない。
//また、ギャルゲー設定における矛盾は、主に、個別ルート間の相違であって、共通ルートで大きな相違が発生することも極めて珍しい。
//以上のように、Ever17における二人の視点の出来事の相違は、ギャルゲー設定で片付けるには難しすぎる。
//ギャルゲー設定でも、各ルート間の相違は同一の出来事と解釈されているわけではない。
//いずれにせよ、せいぜい、【明確な答えが用意されていないかも知れない】という認識を植え付けるが関の山であろう。
//よって、答えを出すことを放棄することはあっても、【両視点の出来事が同一】との認識に達するには、余程の早とちりでもなければあり得ない。
//
////'''ジャンルを正しく認識させた上で、作品内で提示した情報を利用して、伏線を過小評価させるよう誘導するならトリックの一種'''だろう。
////しかし、伏線を元に推理する要素がある、隠された真相がシナリオ全体に重要な意味を持つというシナリオの大まかな傾向=ジャンルを誤認させるという手法が許されるなら、どんなインチキでも許されてしまう。
////例えるなら、推理小説ではないと思わせておいて、最後に、実は、推理小説だったと明かすようなものだ。
////推理小説だと思わなかったから読者は推理しようとしなかった、そんなやり方をトリックと呼べるのだろうか。
//!!作品の評価点
//伏線の過小評価を引き起こしたジャンル誤認の原因は、パッケージの「恋愛アドベンチャー」との表記や取扱説明書の攻略ヒロインに関する説明のせいである。
//作品内部の情報だからこそ、地の文で嘘をついても、ヒントがあれば見破れるのである。
//情報の優先度から見て、内部の情報を元に作品外部の情報を疑うのは不可能である。
//読者を騙す目的で作品外部の情報を用いられているならば、それは、最大禁忌の反則技であろう。
//そして、仮に、Ever17をトリック作品と認めたとしても、「トリック」を成立させる為には、そうした反則技が通用しなければならない。
//何故なら、'''反則技が通用しなかった人は、数々の伏線により隠された真相の存在に簡単に気付けてしまう'''からだ。
//最大禁忌の反則技に頼って「トリック」を成立させてるのであれば、作品の評価としてはマイナスにしかならない。
//
////しかも、ジャンル誤認の原因は、パッケージの「恋愛アドベンチャー」との表記や取扱説明書の攻略ヒロインに関する説明のせいである。
////いわゆる、'''地の文で嘘をつく叙述トリック(ただし、フェアである条件を満たさなければならない)であっても、情報操作は作品の内部だけで行なうのであり、作品の外部の情報を利用したりはしない'''。
////さて、'''作者は、本当に、そうした思考停止手法を利用してまで、読者を騙そうとしたのだろうか'''。
////もし、そうだとするなら、真相を示す数々の伏線が全く意味を為さなくなる。
////フェアであろうとして、真相を示すヒントを用意したならば、最大禁忌の反則技を使うのは矛盾している。
////最大禁忌の反則技を使うくらいなら、その反則技を使わない代わりに、全ての伏線を隠した方が、まだ、フェアに近いだろう。
////つまり、'''伏線を示す代わりに最大禁忌の反則技を使うのは本末転倒'''なのである。
////余程の馬鹿でなければ、本末転倒な真似をしてまで、最大禁忌の反則技を使うとは考え難い。
//
////以上のことから、好意的に解釈するならば、思考停止手法は狙って利用した物ではなく、結果として、そうなったと考えられる。
////つまり、'''騙そうとする意図で思考停止手法を使ったのではないのだから、この手法はトリックの一環とは言えない'''。
////そして、思考停止手法なくしてトリックが成立しないのだから、Ever17はトリック作品とは言えない。
////仮に、'''故意に思考停止手法を使ったのだとしても、最大禁忌の反則技である以上、作品の評価としてはマイナスにしかならない'''。
////また、思考停止手法が反則技でないとするならば、数々の伏線を元に隠された真相があることに気付けることになり、トリックが成立しない。