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{{toc}}
!前置き
それからアゲインなんて、たかがファンサービス・・・と思ってませんか?
After Rainがアレだっただけに、からアゲも同じだろうと舐めてかかってませんか?
ところがドッコイ!からアゲ雅編に限って言えば、1st〜5thを超える最高傑作となっています。
メモリーズオフの真髄([[メモリーズオフとは?]]参照)を理解できる人ならば、きっと満足できる出来でしょう。
!求める先の風雅(雅編)
!!成長点
[[本編では超ヘタレだった|メモリーズオフ〜それから〜主人公改造計画]]主人公=鷺沢一蹴の人間的成長は、喩えて言うなら、[[週刊少年ジャンプのヒーローのような超インフレ的成長|http://www.asahi-net.or.jp/~PG7A-situ/jump/3637jump.htm]]。
最初こそ、自分が何がしたいか分からないとか、お約束のヘタレっぷりを披露していますが、その後の成長は見事です。
かけおちという状況で、突然に突きつけられた自立の必要性。
その中で、鷺沢一蹴は立派に成長してくれます。
その最たる物がコレ!
""オレはいつか、こうして受けた恩を、みなに返せるのだろうか?
藤原雅のケツばっか追っかけてるのかと思いきや、その実、周りの人達に気を配れるようになるとは立派です。
中盤、藤原家の手紙を機に、突然、藤原雅が大胆に迫ってきます。
しかし、鷺沢一蹴は、ムフフな誘いに安易に乗っかることはありません。
もちろん、下心は全開なんだけれど、それでも、自分の欲望より藤原雅への思いやりを優先させるわけです。
おいしい状況でもガっつくことなく、突然の豹変にある裏に気付き、藤原雅を心配してあげられる精神的余裕が大人です。
直前の状況から藤原雅の心の問題を察し、藤原雅にとって何が必要かを考えることが出来るとは、本当に立派に成長してくれました。
次はもっと驚きです。
""雅は、自分では『古風なものが好き』と思い込んでいるが、実際に好きなのはもっと違う。{{br}}
""そして、彼女はそれに気付いていない。
自分と藤原雅の成長を妨げる自己矛盾を客観的に分析できるとは、何と察しが良くなったのでしょう。
これは歴代主人公の誰もが成し得なかったことです。
いや、もっと凄いのは、その解決法として、藤原雅が嫌うことを敢えてやることです。
安易なご機嫌取りに走らず、嫌われることを恐れず、その人にとって最も必要と思われることをする・・・もう、ここまで出来たらお父さんが教えることは何もありません。
それでも、藤原雅は行き詰まってしまいます{{fn 鷺沢一蹴の気付いたことが藤原雅に完全に伝わっていないため}}。
その時も、鷺沢一蹴は、藤原雅に何が必要かを考え、気分転換させようとします。
時間がないから根を詰めるべきと主張して一歩も引かない藤原雅に対して、過去の経験を藤原雅自身に話させ、問題が解決すれば時間にまだ余裕があること、最大の問題が時間ではないことを、丁寧に説明して説得しています。
そして、その気分転換で藤原雅は見事に開花します。
その後の鷺沢一蹴の懐の深いプロポーズの言葉は大変感動的です。
最後のシーンの藤原家の祖母との会話も堂々としていて立派です。
4thと違い、藤原雅の気持ちが分からないなどと、悩むこともありません。
最後まで、藤原雅を信じきっていました。
時に、ちょっとアタフタしてみっともない所も見せるけれど、それは、ご愛嬌。
そんな立派に成長した鷺沢一蹴ですが、柏崎とおこさんは、最初から最後までずっと鷺沢一蹴を上回ってます。
""叔母「自分を押しつけるんじゃなくて、相手のことを考える。それは、人間じゃなくても一緒なんだけど」
この柏崎とおこさんの言葉の意味をどれだけの人が理解できるんだろう。
このシナリオで唯一の難点があるとすれば、それは、藤原本家の御曹司が出て来ないことです。
非常に重要なキーマンであるはずなのに、からアゲには一切登場しません。
そのことが悔やまれます。
!!まだまだな所
藤原雅が弱くなったという認識は間違いです。藤原雅は最初から弱かったのです。祖母の呪縛から逃れる勇気を持てず、「この世の全ては偽りで出来ている」と現実逃避することで自分を慰めていました。そして、本物の存在を認めることが出来ずに、一度は、鷺沢一蹴から逃げ出しました。藤原雅は、自分の弱さを隠すために必死に強がっているだけで、決して、強くなどありません。それが分からない鷺沢一蹴はマダマダ甘い。
!!新作発表会ジャック
「また、ジャックかよ?」と、新作発表会ジャックの意味を全く理解していない人が少なくないことに驚きました。本編の卒業式ジャックとからアゲの新作発表会ジャック、両者は、表面的には似ているものの、内容的には全く違います。
卒業式ジャックは、日頃の素行の悪さのツケが回ってきて、そうせざるを得ない状況に追い込まれたのであって、卒業式をターゲットする必要性に乏しい。一方で、新作発表会ジャックは、藤原祖母の野望を打ち砕くために、藤原祖母の土俵で返り討ちにする必要があり、新作発表会をターゲットする必要性が大いにあります。
また、卒業式ジャックのときは式の進行を妨害しているのに対して、発表会では会の合間にマイクを借りただけであって進行を邪魔してはいません。本人達が恥をかくだけで、誰かに迷惑をかけるわけではありません。
案内状を送りつけた藤原祖母の狙いは、藤原雅のデザインが通用しないことを見せつけ、自立の道がないことを分からせ、家に戻るように仕向けようとしたのでしょう。しかし、予想に反して、藤原雅は特別新人賞を受賞しました。この後の展開として、藤原祖母が受賞を逆手に取って、藤原一族の有力者との縁談を進めることは十分に考えられます。一族主催の新作発表会が開かれるくらいだから、藤原一族は大きな勢力であると考えられます。そして、若さと美貌と才能に溢れる女性ならば、藤原一族の有力者の殿方の目に留まるでしょう。次期当主との復縁は困難でも、それに次ぐ実力者との縁談をまとめられれば、藤原祖母の狙いは大凡達成できます。
藤原祖母の狙いを阻止するには、藤原一族の殿方から見た藤原雅の魅力を暴落させれば良い。具体的には、古風な一族の貞操観念を利用し、既に将来を誓った伴侶がいる、既に純潔ではないとアピールすれば良いわけです。そして、藤原一族が一堂に会するであろう、一族主催の新作発表会は、その絶好の機会です。将来に渡って二度と邪魔の入らないようにするには、この機会を逃す手はありません。
!!オマケ
これはちょっと臭すぎ。
""雅「一蹴・・・。もう、こんなことをしていると、おかゆが冷めてしまいます」{{br}}
""一蹴「それでもオレのきみへの想いは、冷めることがない」
!前置き
それからアゲインなんて、たかがファンサービス・・・と思ってませんか?
After Rainがアレだっただけに、からアゲも同じだろうと舐めてかかってませんか?
ところがドッコイ!からアゲ雅編に限って言えば、1st〜5thを超える最高傑作となっています。
メモリーズオフの真髄([[メモリーズオフとは?]]参照)を理解できる人ならば、きっと満足できる出来でしょう。
!求める先の風雅(雅編)
!!成長点
[[本編では超ヘタレだった|メモリーズオフ〜それから〜主人公改造計画]]主人公=鷺沢一蹴の人間的成長は、喩えて言うなら、[[週刊少年ジャンプのヒーローのような超インフレ的成長|http://www.asahi-net.or.jp/~PG7A-situ/jump/3637jump.htm]]。
最初こそ、自分が何がしたいか分からないとか、お約束のヘタレっぷりを披露していますが、その後の成長は見事です。
かけおちという状況で、突然に突きつけられた自立の必要性。
その中で、鷺沢一蹴は立派に成長してくれます。
その最たる物がコレ!
""オレはいつか、こうして受けた恩を、みなに返せるのだろうか?
藤原雅のケツばっか追っかけてるのかと思いきや、その実、周りの人達に気を配れるようになるとは立派です。
中盤、藤原家の手紙を機に、突然、藤原雅が大胆に迫ってきます。
しかし、鷺沢一蹴は、ムフフな誘いに安易に乗っかることはありません。
もちろん、下心は全開なんだけれど、それでも、自分の欲望より藤原雅への思いやりを優先させるわけです。
おいしい状況でもガっつくことなく、突然の豹変にある裏に気付き、藤原雅を心配してあげられる精神的余裕が大人です。
直前の状況から藤原雅の心の問題を察し、藤原雅にとって何が必要かを考えることが出来るとは、本当に立派に成長してくれました。
次はもっと驚きです。
""雅は、自分では『古風なものが好き』と思い込んでいるが、実際に好きなのはもっと違う。{{br}}
""そして、彼女はそれに気付いていない。
自分と藤原雅の成長を妨げる自己矛盾を客観的に分析できるとは、何と察しが良くなったのでしょう。
これは歴代主人公の誰もが成し得なかったことです。
いや、もっと凄いのは、その解決法として、藤原雅が嫌うことを敢えてやることです。
安易なご機嫌取りに走らず、嫌われることを恐れず、その人にとって最も必要と思われることをする・・・もう、ここまで出来たらお父さんが教えることは何もありません。
それでも、藤原雅は行き詰まってしまいます{{fn 鷺沢一蹴の気付いたことが藤原雅に完全に伝わっていないため}}。
その時も、鷺沢一蹴は、藤原雅に何が必要かを考え、気分転換させようとします。
時間がないから根を詰めるべきと主張して一歩も引かない藤原雅に対して、過去の経験を藤原雅自身に話させ、問題が解決すれば時間にまだ余裕があること、最大の問題が時間ではないことを、丁寧に説明して説得しています。
そして、その気分転換で藤原雅は見事に開花します。
その後の鷺沢一蹴の懐の深いプロポーズの言葉は大変感動的です。
最後のシーンの藤原家の祖母との会話も堂々としていて立派です。
4thと違い、藤原雅の気持ちが分からないなどと、悩むこともありません。
最後まで、藤原雅を信じきっていました。
時に、ちょっとアタフタしてみっともない所も見せるけれど、それは、ご愛嬌。
そんな立派に成長した鷺沢一蹴ですが、柏崎とおこさんは、最初から最後までずっと鷺沢一蹴を上回ってます。
""叔母「自分を押しつけるんじゃなくて、相手のことを考える。それは、人間じゃなくても一緒なんだけど」
この柏崎とおこさんの言葉の意味をどれだけの人が理解できるんだろう。
このシナリオで唯一の難点があるとすれば、それは、藤原本家の御曹司が出て来ないことです。
非常に重要なキーマンであるはずなのに、からアゲには一切登場しません。
そのことが悔やまれます。
!!まだまだな所
藤原雅が弱くなったという認識は間違いです。藤原雅は最初から弱かったのです。祖母の呪縛から逃れる勇気を持てず、「この世の全ては偽りで出来ている」と現実逃避することで自分を慰めていました。そして、本物の存在を認めることが出来ずに、一度は、鷺沢一蹴から逃げ出しました。藤原雅は、自分の弱さを隠すために必死に強がっているだけで、決して、強くなどありません。それが分からない鷺沢一蹴はマダマダ甘い。
!!新作発表会ジャック
「また、ジャックかよ?」と、新作発表会ジャックの意味を全く理解していない人が少なくないことに驚きました。本編の卒業式ジャックとからアゲの新作発表会ジャック、両者は、表面的には似ているものの、内容的には全く違います。
卒業式ジャックは、日頃の素行の悪さのツケが回ってきて、そうせざるを得ない状況に追い込まれたのであって、卒業式をターゲットする必要性に乏しい。一方で、新作発表会ジャックは、藤原祖母の野望を打ち砕くために、藤原祖母の土俵で返り討ちにする必要があり、新作発表会をターゲットする必要性が大いにあります。
また、卒業式ジャックのときは式の進行を妨害しているのに対して、発表会では会の合間にマイクを借りただけであって進行を邪魔してはいません。本人達が恥をかくだけで、誰かに迷惑をかけるわけではありません。
案内状を送りつけた藤原祖母の狙いは、藤原雅のデザインが通用しないことを見せつけ、自立の道がないことを分からせ、家に戻るように仕向けようとしたのでしょう。しかし、予想に反して、藤原雅は特別新人賞を受賞しました。この後の展開として、藤原祖母が受賞を逆手に取って、藤原一族の有力者との縁談を進めることは十分に考えられます。一族主催の新作発表会が開かれるくらいだから、藤原一族は大きな勢力であると考えられます。そして、若さと美貌と才能に溢れる女性ならば、藤原一族の有力者の殿方の目に留まるでしょう。次期当主との復縁は困難でも、それに次ぐ実力者との縁談をまとめられれば、藤原祖母の狙いは大凡達成できます。
藤原祖母の狙いを阻止するには、藤原一族の殿方から見た藤原雅の魅力を暴落させれば良い。具体的には、古風な一族の貞操観念を利用し、既に将来を誓った伴侶がいる、既に純潔ではないとアピールすれば良いわけです。そして、藤原一族が一堂に会するであろう、一族主催の新作発表会は、その絶好の機会です。将来に渡って二度と邪魔の入らないようにするには、この機会を逃す手はありません。
!!オマケ
これはちょっと臭すぎ。
""雅「一蹴・・・。もう、こんなことをしていると、おかゆが冷めてしまいます」{{br}}
""一蹴「それでもオレのきみへの想いは、冷めることがない」