Never7考察
残された謎
うろ覚えなので、以下の考察はちょっと怪しい。
キュレイシンドロームは実在したか?
キュレイシンドロームが登場するのは、いづみキュアだけですが、いづみキュアエンドAといずみキュアエンドBでは、キュレイシンドロームの扱いが明らかに違います。そして、グランドフィナーレにつながる、いづみキュアエンドAの設定が本筋であろうと思われます。
いづみキュアエンドA
キュレイシンドロームによって消滅したように思えた鈴、トランプ、神社、誘拐事件(守野くるみの背中の傷、樋口遙の存在)は、実は、消滅していませんでした。つまり、妄想を現実に変えたと断言できる描写は皆無です。キュレイシンドロームの影響で現実が変わったと考えられた現象は、全て勘違いに過ぎなかったわけです。敢えて、そうした描写を明確に挿入したのは、キュレイシンドローム設定がミスディレクションだと種明かしする作者の意図のように思われます。
確かに、不可解な現象として、タイムスリップが残されますが、これは本当にキュレイシンドロームによるものでしょうか。守野くるみ誘拐事件との整合性をとるならば、神社(に奉られた鈴)の不思議な力によるタイムスリップと考えるのが自然なように思われます。それは、エピローグでの守野いづみによる二つの神社の解説とも一致します。
いづみキュアエンドB
守野いづみのキュレイシンドロームの説明が正しいと仮定します。そうすると、その説明をする守野いづみが居る世界は石原誠の妄想の産物であるわけで、それならば、その説明内容も石原誠の妄想の産物であるはずです。そして、石原誠は妄想の世界を作り出す前*1には、そのような話を一度も聞いていません。とすると、石原誠は、自己の希望する世界を作り上げるため、辻褄の合うようにキュレイシンドロームの説明をでっち上げたことになります。また、守野いづみが教授であるとする設定も、石原誠の妄想の産物となります。何故なら、妄想以前には、誰も、守野いづみのことを教授と呼んでいないからです。石原誠は、次のような断片的な知識に自己の希望を加え、足りない部分は辻褄が合うように補完して新たな世界を作り上げたことになります。
- 飯田億彦が「キュレイシンドローム」の資料を読んでいた
- 守野いづみが飯田億彦に指示していたらしい
飯田億彦が守野いづみを先生と呼んだ*2守野いづみは大学の関係者らしい- 守野いづみが死にかけたことで、やっぱり好きだと再認識した
- 何故か、過去に戻ってしまった
石原誠が妄想を現実にする力を手に入れたことまでを否定してしまうと、いづみキュアエンドBの世界観が全く違ってしまう*3ので、それはないと仮定しましょう。どのようにして能力を手に入れたかはともかく、それが「守野いづみ教授が研究するキュレイシンドロームなる現象」であるとする説明は、完全に後付けということになります。つまり、キュレイシンドロームによって現実を作り替えたのではなく、現実を作り替えたことでキュレイシンドロームという学説を生み出したわけです。石原誠が守野いづみが裏切ったわけではないと信じるためには、キュレイシンドロームという学説が必要だったということです。
では、石原誠の現実を作り替える能力は何だったのか?・・・は永遠の謎です。
優夏編は何だったか?
いづみキュアエンドBでは、主人公の能力が現実を変えたことになっているようですが、他のシナリオは鈴の存在と神社にまつわる言い伝え等によるタイムスリップとして描かれています。ただし、普通のいづみ編は、タイムスリップも現実を作り替えた描写も無いので除外します。
いづみキュアには、守野いづみに裏切られたとの認識があり、初日から現実を変えなければならない明確な動機があります。遙編、沙紀編、くるみ編にも、ヒロイン達が失望する原因を取り除くために、初日から現実を変えなければならない動機があります。これらのシナリオでは、確かに、主人公の意思と思い込みが現実を変えたとすることで、動機的な説明*4は十分足りています。
しかし、優夏編に関してだけは、優夏の死を防ぐこととループから脱出するだけなら、初日から現実を作り変える必要はありません*5。とすると、初日からやり直しになるためには、主人公の意思以外の何かが働かなければならないはずです。その何かとは、一体何でしょうか。この何かは他のシナリオには全く見られません。
以上のように、優夏編といづみキュアエンドBは物語の設定が全く違うように見えます。
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