メモリーズオフ7ゆびきりの記憶 レビュー
総評
今回は6のような希を衒った設定も見られず、全体的なシナリオ展開に無理が生じていない。 サイコ・サスペンス的な要素も、無理なく、かつ、程々に意外性もあり、手堅くまとまっている。 一部シナリオを除き、全体的に主人公の状況判断力と行動力が、従来比1000%程度向上している。
ヒロイン視点
6のヒロイン視点では、新事実が殆どなく、既に分かり切ったことを延々と繰り返すだけの、プレイ時間稼ぎにしかなっていなかった。 それが、7では、5と同様、プレイヤーに新事実を提供するものになっている。
ゆびきり分岐システム
システムとしては、ほぼ、好感度補正の意味しかない。 ただし、織姫ルートだけ、無節操なゆびきりで発生するバッドエンドがある。 システム的な意味よりも、シナリオとの関係が導入理由として大きいだろう。
奥行き表現
主人公の声
シナリオ
共通部分
殺人未遂
犯人の現在年齢は16歳。 犯行は約10年前に行なわれており、当時約6歳と推定される。 刑法第四十一条により「十四歳に満たない者の行為は、罰しない」。
芹澤財閥!?
本家・分家の関係があるとはいえ、天川ちなつへの行為は、実行が難しいと思われる。 通常、本家は、所詮、「財産を持っている血縁者」でしかなく、そこまでの権力を持ち得ないと考えられる。 ただし、今回限りの例外としてコッソリやったなら可能かもしれない。 しかし、天川父の話では、こうしたことは本家では日常茶飯事とか。 だとすると、芹澤本家は、通常ではあり得ないほど、とんでもない権力を持っていることになる。 もしかすると、大財閥の創業者一族とか。 メモオフ7の世界観では、芹澤東京UFJ銀行とか、芹澤商事とか、芹澤重工とか、芹澤自動車とか、芹澤電機とかがある? そりゃ、南雲父も本家に拘るわな。
死亡診断書
細かいことだが、事故死の場合は、死亡診断書ではなく、死体検案書が正解と思われる。
- 医師が別人だと知りながら死体検案書を作成したら、刑法第百六十条の虚偽診断書等作成罪(3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金)に当たると思われる
- 自分の子ではないと知りながら「うちの子に間違いありません」と言って医師に間違った死体検案書を書かせたら、刑法第二百三十三条の偽計業務妨害罪(三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金)に当たると思われる
- 虚偽の死体検案書と知りながら、役所に死亡届を出したら、刑法第百五十七条の公正証書原本不実記載罪(五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金)に当たると思われる
医師も騙されたのだとすると、自分の死亡届を取り消すには、実の親を刑務所にぶち込まないといけない。 と思ったら、十年経過しているので、刑事訴訟法第二百五十条第二項第六号により、全て、時効(三年)が成立しているので、誰も罪に問われない。
自分撮り一脚?
南雲霞が襲われた証拠写真は、てっきり、協力者が撮ったのかと。 あれを自分で撮ったって、どんだけ手が長いんだよと。 協力者がいたって設定なのだから、彼が急遽駆けつけて撮ったってことにすれば説得力が増したのに。 実は、自分撮り一脚を常に持ち歩いていたとか(笑)。
ちなつ
十年前から続く天川ちなつの葛藤が良く描けている。 「ちなつはなおくんの嫁」は、単に希を衒っただけの設定ではなく、説得力のある理由が用意されていた。
主人公には、察しの悪さが散見されるが、過去のことを考えれば止むを得ない部分がある。 それよりも、的確な相手を選んで相談しながら行動を決める思慮深さは高く評価できる。 しかも、その行動が誤解を産まないようにする慎重な配慮も見られる。 このシナリオにおける主人公の状況判断能力の高さは、過去のメモオフと比べても最高レベルではないだろうか。
霞
南雲霞と天川ちなつと天川父が漢(と書いてオトコと読む)前すぎる。 ヒロインの中で唯一ベッドシーンあり(コンシューマだから、あまり期待しないように)。 選択肢はたった1つしかないにもかかわらず、必要な所に的確に選択肢を配置している。 従来までの作品では、主人公がプレイヤーの意に反した判断をすることが多かった。 今回、プレイヤーの意を確認すべき重大な選択をプレイヤーに委ねたことは高く評価できる。
詩名
ちなつ
このルートでは、父親の介入によって天川ちなつがバイトを辞めさせられたことになっており、天川ちなつの出番が不自然なまでに削られている。 それ故に、描写すべき重要な問題であるはずの、芹澤直樹と天川ちなつの関係整理に関する描写が一切ない。 結果として、他のルートの漢(と書いてオトコと読む)前な天川ちなつを見ることはできない*1。
天川ちなつとの関係を精算すべき状況で、曖昧な言動を繰り返し、余計に天川ちなつを傷つける、というような織姫ルートにみられる行動は、本ルートにはない。 ただし、これは、天川ちなつとの関係を精算するシーンが丸ごとカットされただけであって、カットされてなければ、不誠実な行動が見られた可能性はある。 あるべき描写が無いのは如何かという批判は真摯に受け止めるべきとしても、ルート内に主人公の不誠実な行動の描写がないことは事実である。
【直樹】「勘違いだろうがどうだろうが、とにかくそういうことなの」
【直樹】「だから、俺にはそういう恋愛指南とかそんなもの必要ないんだよ。わかった?」
【詩名】「うぅ………」
【直樹】「というわけで、ちなつとの件はここで終わりだ」
良く言った!!! てっきり、流されるだけで主体性が無いだけの奴だと思ってたら、言うべきことをキッチリ言えるじゃん。
プレイヤーは、鼓堂詩名は攻略対象ヒロインであると知っており、ヒロイン視点のシーンも見ることが出来るから、鼓堂詩名の本当の気持ちに容易に気づける。 しかし、芹澤直樹は、プレイヤーが知る裏情報を知らず、鼓堂詩名のとった紛らわしい行動にも騙されている。 だから、プレイヤーに分かることが芹澤直樹に分からないと文句を言うのは理不尽である。 だとしても、人並みの察しの良さがあれば鼓堂詩名の気持ちに気づけたであろうし、自分の気持ちから逃げていることは評価できない。 とはいえ、そうした主人公の行動は不誠実とは言えない。
好きな娘(無自覚だが)のため、自分の気持ちに反してでも、一肌脱ぐ。 勘違いで暴走するのは玉に傷。 本来なら、暴走する前に、情報の真偽を確認すべきなのだが、唯一の情報源が口を閉ざしているので、真偽を確認しようがない。 また、一時的が逃げることはあっても、すぐに思い直す(従来の主人公は逃げっぱなしだった)。 気持ちが逃げて、それでも、すぐに、立ち向かわなければダメだと思い直して、また、障害に阻まれて、また、気持ちが逃げて、それでも、立ち向かわなければダメだと思い直して、仲間に助けてもらって、決めるべき所をしっかり決める。 後ろ向きにウジウジ悩むのではなく、前向きに悩んで行動する。 これこそ、理想の主人公に求められる行動であろう。 今回の主人公は漢(と書いてオトコと読む)である。
佐賀
このシナリオでは佐賀亨が格好良すぎる。 佐賀亨が奇策を採る時点では、次のような状況になっている。
- 芹澤直樹は、鼓堂詩名を応援すると約束したから、我を通せず、その結果、自分の気持ちに向き合えない
- 鼓堂詩名は、本当のことを言わず、振られたと思い込んで、余計に殻に籠ってしまった
第三者が鼓堂詩名が好きなのは芹澤直樹だと言っても、芹澤直樹にとっては半信半疑にしかならず、それでは、自分の気持ちと向き合えない原因が取り除けない。 芹澤直樹は、自分の気持ちと向き合うことが、鼓堂詩名との約束をないがしろにする行為と決めつけているフシがある*2。 それは、自分の気持ちと向き合う勇気がない言い訳なのかもしれない。 ともかく、その足かせを外さないことには、芹澤直樹は、自分の気持ちと向き合えない。 一方、鼓堂詩名は、最初から、自分の気持ちを隠そうとして来た。 そして、振られたと思いこむことによって、増々、自分の気持ちを言い辛くなった。 本人から直接振られたと思っているだから、第三者の意見に耳を傾ける余地はない。 これにより、どちらからも好きと言えず、関係が進展しない状況に陥っている。
そこで、佐賀亨は、芹澤直樹の嫉妬心、倫理観、好きな人を守りたい気持ちを煽るという作戦に出た。 それら芹澤直樹の気持ちが約束を守るという口実を超えることが出来れば、芹澤直樹は自分の気持ちと向き合えるだろうと。 リスキーな手段ではあるが、今のままでは、鼓堂詩名と芹澤直樹は永久に進展しない。 それどころか、両者の誤解を放置することは、両者の関係を修復困難な状態にしかねない。 鉄を熱いうちに打つ必要があるが、そのためには、生半可な手段で鉄を打つことはできない。 そして、これは、当事者の自己責任の問題である。 佐賀亨との仲を取り持とうとしたのも芹澤直樹自身の判断であり、佐賀亨を受け入れたのも鼓堂詩名自身の判断である。 この関係を変えるか維持するかは当事者3人の問題であり、当事者3人の自由意志で行動する以上、その結果には、当事者3人が責任を持たなければならない。 佐賀亨の腹は決まっている*3のだから、後は、芹澤直樹と鼓堂詩名の問題である。
リサ
天川ちなつから問いつめられた結果であることは情けないが、事前に天川ちなつとの関係を整理したことは、一応、評価できる。
窓から、トボトボと校門を出て行くちなつの後姿が見える。
ちなつ……。
でも……ダメだ。後を追ってはいけない。
いつもここで、ちなつを可哀そうだと思ってしまって……後を追いかけたりするから、ズルズルと中途半端な関係が続いてしまうんだ。
分かってんじゃないの。
【リサ】「チナツ、風流庵がよほどお気に入りなんでしょうね」
【直樹】「うん」
【リサ】「おしぼりと一緒に注文聞いてきますね」
【直樹】「あ、俺が行くよ」
お前、本当に分かってんのかと小一時間問いつめたい。
天川ちなつが漢(と書いてオトコと読む)前すぎる。 この先グダグダにならないのは全て天川ちなつのおかげと言っても過言ではない。
織姫
主人公(芹澤直樹)の二股以外にも、細かい欠点は多々目につくが、星月織姫というキャラの魅力は良く描けている。 星月織姫の過去については、最初、Myself;Yourselfの藤村柚希の焼き直しのようにも見えたが、重要な部分の設定が大きく違っている。 以前の交際相手について、星月織姫が事実確認をおざなりにしたことは不可解であるが、主人公を遠ざける動機としては理解できる。 そして、意外な真相と結末は、なかなか良く考えられている。
二股
2ndの再来とも言うべき、最低の二股シナリオである。 星月織姫との関係を天川ちなつに知られて罪悪感を感じているのだから、当人に二股かけている自覚があるのだ。 そのことを複数の知人に注意されながらも、一向に改善しようとしない。 星月織姫に手を出しつつも、何だかんだと口実をつけては、天川ちなつに隠しつづける。 ダブルブッキングを避けたいくせに、天川ちなつから明日の都合を聞かれても直ぐに答えない。 そして、デートに誘われたら、風邪だと嘘の言い訳を取り繕って断る。
相手の都合を考えない身勝手さも目に余る。 星月織姫に告白して、立場上の都合を理由に断られたら、勝手なこと言って逆ギレ。 相手の複雑な心境をちょっとは察してやれよ。 そして、ちょっとは気遣ってやれよ。
先生の言う通りだ……。
こんな大切な告白……どうして、今、してしまったのだろう?
ちなつとの関係をちゃんとして、それから、キチンと考えるべきだったんだ。
重大な問題が発生してから後悔しても遅い。 しかし、
−キチンと話そう。ちなつと。
だからといって、先生とも元には戻れないだろう……けど、それでいいんだ。今のまま行ったら、たぶん同じことの繰り返しになる。
そして、俺もちなつもダメになる……。
こんなこと、とうの昔に気づいていたのに、結論を先延ばしにしていた俺は、なんてバカなんだろう。
「とうの昔に気づいていたのに、結論を先延ばしにしていた」ことは、最低であるが、それを反省し、ケジメをつけようとする態度は評価できる。 「先生とも元には戻れないだろう」と打算のない、純粋にケジメをつけようとする態度は、これまでのメモオフの主人公には見られなかった。 と思ったら、則、期待を裏切ってくれる。
【直樹】「−そろそろ、キチンとしておかないか、俺たち?」
【ちなつ】「ちなつは、いつだってキチンとしてますよ。なおくんの嫁です」
【直樹】「そんなの、子どもの頃に勝手に決められた話だ。お前はそれでいいのか?」
【ちなつ】「いいです。ちなつはそれが幸せなのです」
【直樹】「俺は−ちなつが幸せだとは思わない」
この期に及んで、まだ、天川ちなつのことを言い訳にするか。 「キチンとしておか」なければならないのは「俺たち」ではなく「俺」である。 これは、芹澤直樹の優柔不断さが問題なのであって、天川ちなつの問題ではない。 そして、「子どもの頃に勝手に決められた話」であっても、当人が満足している以上、天川ちなつの側には何も問題はない。 つまり、芹澤直樹は、天川ちなつの問題を捏造し、その捏造した問題に責任転嫁しているのである。
【ちなつ】「あの人は、そういう女なのです。そして−そして、今度は、ちなつからなおくんを奪おうとしています!」
【直樹】「や、やめろよ……そんなこと言うの……」
ここでは芹澤直樹の天川ちなつへの気持ちを明確にすることが再優先事項であって、星月織姫に対する天川ちなつの認識をどうこうするのは二の次である。 そして、星月織姫に対する天川ちなつの認識を悪くしているのは、芹澤直樹の天川ちなつへの気持ちを明確にしていないことに主たる原因がある。 だから、この場合、何を差し置いても、真っ先に、「だとしても、俺はちなつとはつきあえない。ちなつに対して恋愛感情はない」と告げるべきなのである。 優先順位を間違えて、再優先事項を後回しにするから、話がややこしくなるのである。 そのことを、つい、さっき、反省したばかりではないのか。
【ちなつ】「なんでぇっ? どうしてこの人ならいいのっ!?」
【直樹】「こ、これは違うんだ……あの時は……っ」
これから振ろうとする相手に、別の女性との密会現場を見られて何の不都合があるのか。 むしろ、説明の手間が省けて幸いだろう。 それなのに、どうして「これは違う」と言い訳する必要があるのか。
織姫先生からだった。慌ててメール画面を開く−。
『たすけて』
悲痛な4文字が視界に飛び込んで来た瞬間、俺は、ちなつの腕を掴むと、弾かれたように駆け出していた。
【ちなつ】「あっ!?」
【直樹】「駅まで送るから! 今日はもう帰ってくれ!」
この期に及んで「駅まで送る」とか、何言ってんだろう。 星月織姫の身にどんな危機が迫っているのか詳細が分からない以上、星月織姫の元に駆けつける方が先ではないのか。 もしも、急を要する問題であって、取り返しのつかないことになったらどうするのか。 「ちなつの腕を掴む」暇があったら、急ぎの用事を先に片付けるべきだろう。
バッドエンド2では、あの後の修羅場がどれだけ凄まじい代物になるのか、想像に難しくない…。
織姫の過去
交際相手の話には耳を傾けようとも、自分の目で事実関係を確かめようともせず、友人の話だけを鵜呑みにするのはおかしい。 交際相手の浮気を疑うなら、どうして、デート現場に張り込むなり、明確な証拠を押さえようとしないのか。
暴力事件
明確な描写が無い部分もあるため、推測も含まれるが、学校側に訴えがあった時点では、以下のような状況であると考えられる。
- 暴行疑惑の対象は関口君であって芹澤直樹や天川ちなつではない
- 暴行を証明するに足る目撃証言はない
- 鉄パイプで滅多打ちにしたと証言しているのは自称被害者の仲間だけである→仲間の証言だけでは無効
- 関口君の同級生(芹澤直樹と天川ちなつ)は三脚に激突しただけでと証言しているし、自称被害者が走って逃げる所も目撃している
- それ以外の第三者の目撃証言はない
- 暴行を証明するに足る物的証拠はない
- 診断書はあるが、それは加害者を特定する証拠にはならない
- 暴行の事実を証明する写真や映像記録等の証拠はない
- 当事者の人物評は暴行疑惑を肯定も否定もしない
- 自称被害者達は、背広を着ていたが、信用に値するような社会的地位があるわけではない
- 関口君に過去の明確な非行歴はない
これでは嫌疑不十分であり、関口君には非が認められず、懲戒処分等を課すことはできない(参考:学校教育法施行規則第二十六条第三項)。 関口君の無実を主張する主人公に対し、教師側が「証拠があるのか」と言うのは全くの見当違いである。 暴行を証明する証拠がないのだから、無実を証明する証拠は必要がないのである。 よって、関口君が、自称被害者との示談に応じるかどうかは、本人の任意である。 にもかかわらず、関口君に処分を課そうとすることはおかしい。 そして、星月織姫以外、教職員の誰1人として、そのことを指摘しないのはおかしい。
もちろん、学校側としては、事件を表沙汰にしたくないだろう。 しかし、学校側の都合で真相を闇に葬って示談に応じるならば、全責任は学校側で引き受けるべきである。 事件を隠蔽しようとする行為は不正であり、そうした不正を画策する学校側が、学生の無実を証明する権利を剥奪し、処分を課そうとするのは無茶苦茶である。 また、そうした不正行為が極少数の関係者の手によって内密に行なわれるならともかく、職員会議の議題になってまで堂々と押し進められるのは時代錯誤も甚だしい。 会議の場で次のようなことを発言しない人がいないはずがないし、発言者がいれば正論を押え込むことは不可能だろう。
- 隠蔽を行なって後日発覚すれば、その場で発覚するよりもダメージが大きい
- 関係者全ての口を封じることができないので、一時的隠蔽に成功しても、いずれ、発覚することが多い
- 一度不正を行なえば、以後、半永久的にユスリ・タカリの対象となる危険性がある
- 教育者として手本にならなければならないのに、それに反して不正を行うことは対外的に示しがつかない
- 多数の学生を守るためにもスキャンダルは避けたいが、そのために無実の学生を生け贄にするのは筋が違う
自称被害者の側も、背広を着たくらいで、金をむしり取れると考えているなら知恵が足りなさすぎる。 足がつかないように、その場限りのカツアゲをしているのに、わざわざ、自ら足がつくような真似をするのは馬鹿である。 連絡先を教えているなら確実に足がつくし、そうでなくても、金を受け取りに来た所を一網打尽にされる。 警察を呼ばれたと思って逃げたのであり、一目散に逃げたなら、その事実を確認していないだろう。 もし、警察が来たなら、彼らが走って逃げたことを警察が確認しているからであり、警察に問い合わせれば嘘がばれてしまう。 また、それなりに人通りのある場所での行為なので、探せば目撃者を見つけることは可能だろう。 目撃者の口を封じていない以上、どう考えたって成功しない犯罪である。
興信所
自称興信所の調査員(後で発覚する事実によれば真っ赤な嘘だが)ごときに、何をあわてふためいているのか理解不能である。 興信所とは、警察や検察のような公権力ではない、ただの民間の調査会社に過ぎない。 興信所には誰でも調査依頼できるのだから、調査対象になったことは誰かが調査依頼したということしか意味しない。 そして、興信所の調査に協力する義務はなく、協力しなくても何らペナルティはない。 敵対勢力が依頼者である可能性があるなら、依頼者の情報を知るためにも、話を聞く必要があるだろう。 ただし、人気のない場所に誘い出されないよう注意する必要がある。 だから、話を聞くだけ聞いて、極力するかしないか、是々非々で判断すれば良いだけである。 そして、結論を言うなら、個人の交際相手等のプライバシーに関わる調査をしているのだから、本人の承諾なしに協力すべきではない。
その他
過去キャラ
台詞も立ち絵もないが、過去キャラがちらっと出て来る。
【信】「……ん? ああ、無事に解決したよ」
【信】「待てそこ、ここで『やったったダンス』はやめてくれ」
……。
どうやら、稲穂さんの友人達らしい。
【亨】「稲穂さんがさ、和風らしさを出すために薙刀の演舞をしようって言い出したんだ」
……。
意味は分からないが、何となく稲穂さんらしいと思った。
【直樹】「それって、亨さんがやるんですか?」
【亨】「まさか、稲穂さんの知り合いの女の子と、その先輩さん。で、さっきそのリハーサルがあったんだ」
【亨】「で、その先輩さんが、関西弁のイントネーションで話しかけてきてさ」
【亨】「関西弁萌えって言ったら、『奈良弁や』って薙刀ツッコミされた……」
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