Remember11考察深追
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警告
このページでは、作者による後付け談話を元にした、深追いし過ぎた考察を記す。 よって、このページの記述内容は、作品本体の何処にも、それを示す直接描写はないし、ヒントも用意されていない。 一方、Remember11考察には、作品本体で直接描写されたこと、および、直接描写からほぼ確実に推定できる解答が示してある。 そちらを読まずにこのページを見ている人には、まず、そちらを先に読むことをお勧めする。
次の2つを条件を満足したうえで、続きが読みたい人は、どうぞ、先に進んでもらいたい。
- Remember11考察を良く読み、その内容を理解する
- 考察を深追いすれば新たな謎が発生し、その謎には作品本体にも作者の後日談にも答えがないことを覚悟する
しかし、この2つのいずれかを満足していない人は、その条件を満足するのが先であろう。 グッドエンド時点での謎だけなら明確な解答が示せるが、考察をある程度進めて生じた新たな謎の解答はない。 そのことは、監督自身が明確に認めている。 考察を深追いするなら、納得できるような解答が得られない覚悟をしておくべきだろう。 尻切れ蜻蛉の未完結な解答でも良いのであれば、どうぞ、先に進んでもらいたい。
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Remember11深追
- 2010-06-15 (Tue) 15:21:20: Remember11考察 ユウキドウ計画
ユーザーの考察
中澤氏のブログには、次のように書かれている。
ただし、(ここからが最も重要な話です)
これはインタビューの読み方と同じことですが、
「各個人で考察して、見出した真相」に満足している方は、PSP版で明瞭になった情報と食い違っても無視してくださって結構です。
僕ら制作者サイドの意向としては、すでに披露されているそれぞれのユーザーさんの考察内容も「アリ」だと考えています。
過去にも何度か申し上げた通り、このシリーズ作品に限っては、「ユーザーの皆さんが膨らませた想像の産物」の優先順位が高いのです。
Never7もEver17もRemember11も、いずれの作品についても、
最も納得した(あなたにとって妥当性のある)真相こそが、あなたにとっての真実です。
特に、今回のPSP版の年表には、PS2版ではハッキリしていなかった情報が含まれています。思考の推移に多少なりとも変化が生じてくるのは当然です。
なので、PSP版から初めて導き出せる内容は、PS2版のみで導きされた結論・論理を何ら否定するものではありません。
WEBサイトにて考察を披露されている方々は、自身の考察が誤りだと捉える必要はありません。
「今回のPSP版の情報は、別の真相への手引き」だと解釈くださっても結構なのです。
つまり、「俺が納得した」と言い張れば、作者は、「Remember11は虐められっ子が未来から来た猫型ロボットに助けてもらう物語だ」(以下、「猫型ロボット説」)という考察だって否定しないのである。 しかし、そのことをもって猫型ロボット説が正解だと言うのは暴論だろう。
作者は「WEBサイトにて考察を披露されている方々」が少なくないことを知っている。 有名な某サイトについては、以前に、簡単な意見を述べていたこともあり、その具体的内容も知っているのだろう。 それら、WEBサイトの考察が大筋で正解であるなら、こんな補足意見を述べる必要は全くない。 つまり、それらの多くが正解から掛け離れているからこそ、「自身の考察が誤りだと捉える必要はありません」と言っているのだ。 この記述は、正解から掛け離れた考察も許容するという意思を表明したに過ぎない。
仮に、「別の真相」と食い違う解釈を閉め出しても、それは作者にとって自己満足を得る以上のメリットはない。 逆に、「別の真相」と食い違う解釈を許容することで多数のユーザーから支持されるなら、商業的メリットは大きい。 よって、商業的に見た場合、正解から掛け離れた考察を許容することは、ごく当たり前の対応と言える。
アイツとセルフ
PSP版年表から読み取れる事実は次のとおり。
- 優希堂悟(オリジナル)は『超越的な意思(あるいは知性体)』を『セルフ』と名付けた
- 優希堂悟(オリジナル)は『セルフ』が沙也香を『殺』したと考えている
- 『セルフ』とは「犬伏の残した言葉を拝借し」ただけであり、犬伏の言う『セルフ』と同一とは限らない
- 『セルフ』が「真に実在した存在だったのか?」「強い願望が見せた幻だったのか?」は定かでない
『超越的な意思(あるいは知性体)』
Infinity plusのPremium Bookによると、優希堂悟(オリジナル)は、自分を操った“アイツ”が妹を殺したと認識している。 そして、“アイツ”を「呼び出して復讐してやろうと、本作はそういう物語」であるということである。 PSP版年表には、「犬伏の残した言葉を拝借し、『超越的な意思(あるいは知性体)』を『セルフ』と命名」とあるので、 優希堂悟(オリジナル)は、『超越的な意思(あるいは知性体)』が犬伏の言う『セルフ』と同一かどうかの確認はしていない。 ただ、「犬伏の残した言葉を拝借」しただけである。 PSP版年表によれば、「悟はこれこそが、沙也香を『殺』した真犯人ではないか」と考えており、「『セルフ』をこの世界に誘い込む計画」を「立案・遂行することを志す」とされている。
では、“アイツ”と犬伏の言う『セルフ』は同一の存在なのか? これについては、分からないとしか答えようがない。 “アイツ”や『セルフ』の正体も、それらの関係も、推測に必要な情報が提示されていない。 PSP版年表は、『超越的な意思(あるいは知性体)』が存在しない可能性も示唆している。 「真に実在した存在だったのか?」「願望が見せた幻だったのか?」と、優希堂悟(オリジナル)の想像の産物である可能性を示しているのだ。 『超越的な意思(あるいは知性体)』については、「〜と考える」のような主観的な表現が多い。 『超越的な意思(あるいは知性体)』と鍵括弧で括っているのは、それが、優希堂悟(オリジナル)個人の認識に過ぎないことを示している。 そして、優希堂悟(オリジナル)の認識が、この物語の世界の真実と一致するとは限らないからこそ、個人の認識に過ぎないことを明確にしているのである。 実のところ、“アイツ”や『セルフ』がどのような存在であろうとも、物語には大した影響はない。 重要なことは、優希堂悟(オリジナル)がアイツ”や『セルフ』をどう認識しているかである。
ユウキドウ計画
ユウキドウ計画は、優希堂悟(主人公)が第三地点に行くことによって起こるバッドエンドのタイトルにのみ表記されている名称です。 「計画」という呼称は、たびたび、出てきますが、これは、ユウキドウ計画と同じものであろうと推測されています。
ゲーム内で実行されたユウキドウ計画が、当初計画から変更を加えた修正後の計画であることが、明確に描写されています。 このうち、変更部分については、ゲーム内に十分なヒントが提示されています。 しかし、当初計画の具体的内容については、Remember11本編には情報が提示されていません。 TIPSに抽象的な記述があるだけで、ゲーム内の何処を探しても、当初計画の内容を知るに足るヒントはほぼありません。 ゲーム中でヒント足るのは、優希堂悟(オリジナル)が“アイツ”を恨んでるらしいという動機の可能性を示唆した描写と妹の死がきっかけで立案された旨の記述だけです。 妹の死の原因も、計画の目的も一切描かれていません。
つまり、当初計画に関する考察は、作品中にない情報に頼らざるを得ないわけです。 よって、この当初計画に関する考察については、完全な後付けの妄想として扱って差し支えないと言えるでしょう。 考察の情報源は監督の発言ですが、作品中に影も形もない以上、作者自身の発言であることは後付け妄想でない根拠とはなりません。
目的
年表によれば、計画の目的は、墜落事故の犠牲者の救出と「『セルフ』をこの時空内に捕らえ、幽閉すること」である。 では、後者と【時空間転移装置、あるいは、「分子レベルの量子テレポーテーション装置」】(以下、「装置」)はどんな関係があるのだろうか。
当初計画と装置は無関係で、装置の開発に携わったのは単なる偶然・・・で片付けるのは難しい。 それでは、都合の良い偶然が2度も続いてしまうことになる。 計画を実行しようとしたら装置と関わることになり、その後、装置で解決可能な飛行機事故が起きることになる。 また、時空間転移や人格交換を何度も行なった理由付けが難しい。 単なる「データの収集」で片付けてしまうと、物語の主要部分とは直接関係がなかったことになる。 そのような必要のない思わせぶりな描写は、物語の構成として反則であろう。 思わせぶりな描写の必要性は、必ずしも、物語の世界の中になければならないわけではない。 しかし、時空間転移や人格交換を何度も行なうことについては、物語の世界の外においても思わせぶりな描写の必要性が乏しい。
以上のように、計画と装置が無関係と考えるのは難しく、計画に装置が必要だったと考えるのが妥当だろう。 計画に装置を利用するなら、装置が必要と考えるだけの理由があるはずである。 ただし、優希堂悟(オリジナル)が脳内で宇宙から電波を受信しちゃう人だったという設定なら話は別だが。
『超越的な意志(あるいは知性体)』を『セルフ』と命名したのは優希堂悟(オリジナル)である。 そして、「願望が見せた幻だったのか?」と書かれていることから、『超越的な意志(あるいは知性体)』が存在すると考えたのは、優希堂悟(オリジナル)個人の考えなのだろう。 だとすると、『セルフ』の召還を理論的に予測するような情報の蓄積があったとは考え難い。 何故なら、 理論的に予測可能な情報の蓄積があれば、関係者が気付かないのはおかしいからである。 また、そのような情報があって、それが真相に肉薄するために必要なら、全く開示されていないのも変だろう。 であれば、装置が『セルフ』を召還した(ように優希堂悟(オリジナル)には見える)実例があると考えた方が無難だろう。 では、その実例とは何か?候補となる実例は3つしか書かれていない。
- 優希堂沙也加が両親を殺害
- 優希堂悟(オリジナル)が妹を殺害
- 阿波墨病院殺人事件
前二者については、描写が不十分でハッキリしたことが言えない。 しかし、「阿波墨の事件を契機に、悟は自分の考えに確信を抱くようになる」と書いてあることから、阿波墨病院殺人事件が決定的な情報をもたらしたと考えるのが妥当だろう。 とすると、阿波墨病院殺人事件が装置による『セルフ』を召還した実例ではないのだろうか。 ただし、そう考えるにあたって、「分子レベルの量子テレポーテーション装置」がどのような装置であったかが重要になる。 装置のどのような機能が『セルフ』召還と関わっているのかが以後の考察に必要となるが、憶測で物を言うには少々複雑な事柄であるので、ここでは棚上げとしておく。 ただ、オリジナルの装置だけで人格交換が可能であったと仮定すると、その後の考察とうまく繋がるとだけ言っておく。 逆に、オリジナルの装置だけで人格交換が不可能であったなら、どのような根拠に基づいて『セルフ』の存在を確信し、また、召還法を見出したのか、その説明が困難になる。
手段
明確な描写も、推測に繋がるような根拠も無いため、不明。 ただし、いくつかのヒントは存在する。
救出作戦を達成するために、転移を何度も行なう必要はない。 つまり、救出作戦のためだけなら、物語中に行なわれた転移の回数が多すぎる。 また、人格交換も救出作戦には無用である。 では、何の為に、転移と人格交換を何度も行なったのだろうか。 消去法で考えれば、それは当初計画を遂行するためだろう。 「『セルフ』をこの世界に誘い込む」ために、度重なる人格交換が必要だったのではないか。 年表の次の記述を見ても、転移を繰り返すことは、それ以外の役に立つ余地があるとは考え難い。
以降の転移現象は、装置の仕様により、
停止させるまでは不定期に発生し続ける。
この不定期転移は、設計者でさえ
原則的には予測不可能であるが、今回の計画では、
(何度同じ歴史を繰り返しても)
完全に同じタイミングで転移は発生する。
復讐目的であるならば『セルフ』が誰に召還されるかを知る必要がある。 度重なる人格交換が召還の条件なら、召還対象の候補者は6人いることになる。 候補者の数を絞りたいなら、犬伏景子と涼蔭穂鳥の人格交換は行なわない方が良い。 候補者を増やせば、計画に不確定要素を増えてしまう。 にもかかわらず、候補者を倍に増やしたのは何故か。 それは、召還対象が優希堂悟だと初めから確信していたからではないのだろうか。 ユウキドウ計画失敗エンドで、即座に状況が理解できたのもそのせいではないか。 物語中で人格交換を二重に行なっていたのは優希堂悟だけである。 他の候補者との決定的な違いはそこだけだろう。 だとすると、人格交換を二重に行なうことが召還の条件なのかもしれない。 では、何故、犬伏景子と涼蔭穂鳥の人格交換を行なったか。 それは、計画が今回で成就するとは限らないからだろう。 失敗の可能性も考慮し、今後のために、人格交換を二重に行なうことが召還に繋がることを示すデータを取りたかったのではないか。 つまり、犬伏景子と涼蔭穂鳥の人格交換は、比較対象として行なわれたのではないか。
さて、33分(66分)ルールは何の為にあったのだろうか。 優希堂悟(主人公)の推理を引き出すためというのも立派な理由となりうるが、それにしては、ちょっと出来過ぎのような気もする。 優希堂悟と榎本尚哉の人格交換は長期に渡って継続されているので、空間転移や人格交換に伴う制約ではないようだ。 ただし、二重の人格交換に伴う制約である可能性は十分にある。 この件についても情報不足でハッキリしたことは言えない。
犬伏景子
阿波墨事件の真相
ユウキドウ計画の項で書いたとおり、阿波墨病院殺人事件が装置による『セルフ』を召還した実例だと疑われる。 だとすると、犬伏景子は、事件の前に装置を使った何らかの実験を受けていたことになる。 その後、阿波墨病院殺人事件が起きた。 それを知った優希堂悟(オリジナル)は、装置が『超越的な意志(あるいは知性体)』=『セルフ』を召還し、犬伏景子を操ったと考えた。 この考えは優希堂悟(オリジナル)の個人的な考えに留まるので、ライプリヒ製薬が故意に『セルフ』を召還したとは考え難い。 つまり、ライプリヒ製薬にとっても、殺人事件は予想外の出来事なのだろう。 とはいえ、実験が事件の引き金になったことが明るみになっては、その責任を問われてしまう。 だから、犬伏景子をDID患者として「ライプリヒ施設に移送」することで真相を闇に葬ったのだろう。
DID
犬伏景子はDIDだったのか? 阿波墨事件=『セルフ』召還事例との推測が一定の根拠に基づいているなら、少なくとも、阿波墨事件当時はDIDでなかったと考えるのが妥当だろう。 そして、DID患者に偽装して幽閉した人物が、偶然、DIDを発病するのは話が出来過ぎである。 よって、犬伏景子はDIDではないのではないか。
「いや、まて、本編中に犬伏景子の異常性を示す描写があるじゃないか」と言う人もいるだろう。 しかし、もう一度良く見てもらいたい。 それは、本当に異常性を示す描写なのか。 Remember11考察 犬伏景子に示したとおり、いずれも理知的な現実主義&合理主義者であることを示していると解釈がすることも可能である。 実は、犬伏景子の異常性を示していると明確に断言できる描写は1つもない。
また、物語の展開の仕方としてみても、犬伏景子がDIDだと認識させるようにミスディレクションを仕掛けたと考えるのが妥当だろう。
時計台の殺人鬼
この考察はRemember11考察を参照のこと。 別の解釈の可能性として、年表には次のように書かれている。
悟が時計台から転落する直前に見た人影−−
それは、すでに時空内に閉じ込めれた
『セルフ』だったかもしれない・・・・・・。
『セルフ』の可能性を示唆しながら、何故か、「かもしれない」と答えを暈している。
Keyword(s):[Remember11考察]
References:[Remember11考察 アイツとセルフ] [Remember11考察]