Remember11考察 序章
このページはRemember11考察の一部です。全体像はRemember11考察をご覧ください。 内容を理解するには考察の基本原則と物語の条件が必須です。
目的
このページで述べることは、朝日が昇り そしてまた落ちる Remember11 -the age of infinity- 微ファンサイトの考察(以下、「朝昇落サイト」)をベースに進めます。 それは次のような理由によります。
- 目標は正しさであって独自性ではないので、他人の影響を排除する必要は全くない
- 同じことを説明するくらいなら、その労力を新しい事柄の説明に注いだ方が合理的
- 他人の功績を盗用してはいけない
このような形を採らざるを得ないのは、3つ目の理由が最も大きい。 それさえなければ、新規にオリジナル文章を書き起こせば済みます。 しかし、このサイトのRemember11考察が、朝昇落サイトのLevel1考察の上に成り立っているのは疑う余地のない事実です。 他人の功績を何食わぬ顔して盗用し、あたかも完全オリジナルの考察であるかのように発表することはできません。 常識的に考えて、他人の功績の上に成り立つなら、オリジナルの出所を明らかにするべきでしょう。
しかし、一方で、他のサイトを紹介する以上、その内容に間違いがあるなら、それを黙って見過ごすこともできません。 とくに、紹介先が巧みな論理のすり替え等を用いているならば、尚更です。 何故なら、そうしたサイトを手放しで紹介すれば、このサイトが訪問者を罠に誘導したことになるからです。 いくら出所を明らかにするべきだからといって、詭弁で人を騙す行為に加担するわけにはいきません。 ということで、紹介する以上は、その紹介先について、厳しく検証する必要があります。
よって、このページでは、朝昇落サイトの情報のうち、信用に値する部分だけを抽出して補完する形で考察を進めます。 明らかに間違っていると断定できる部分については、「朝日が昇り そしてまた落ちる」にて、根拠を明示して何処がどう間違っているか詳細に指摘することとします。
考察 序章
第3の人格
以下は、三点間移動に気付いて、スフィアの外に出た後の描写。
青鷺島と朱倉岳、2点を結ぶラインを指先でたどる。
その線分の真ん中あたりで指を止めた。
そこには北海道の妃羽郡、茂枝木村という場所だった。
ちょうど中点のあたりに、ツルハシをクロスさせたようなマークが記されている。
マークのすぐ下にはこうあった。
悟「穂樽日・・・鉱山・・・」
悟「穂樽日・・・」
もしも第3領域が『穂樽日鉱山』にあるのだとしたら・・・。
第3領域が穂樽日に存在するのだとすれば、これまでの疑問が全て氷解してしまう、解けてしまう。
オレはαの正体に気づいてしまった。
この事実はもう、消せないのだ。
αは第三人格となる人物のことである。 優希堂悟(主人公)は、記憶喪失で、思い出したことは、全て、テキスト化されているようなので、知識量はプレイヤーと変わらないはずである。 だとすれば、優希堂悟(主人公)が気付いたのであれば、これまでの描写の中に「αの正体」を示すヒントがあるはずである。 以下は、犬伏殺害を断念した内海カーリーの台詞。
内海「狭い個室にね?ひとりきりで閉じこめられていたの」
内海「とても深くて、寂しい場所だった」
内海「地下にあったのよ・・・」
内海「北海道妃羽郡茂枝木村・・・穂樽日・・・」
内海「穂樽日という場所の、地下に・・・」
内海「退院できたのは、去年の7月16日」
これ以外に、穂樽日という地名が出てくる描写はない。 つまり、「αの正体」を示すヒントはここにある。ただし、内海カーリーはαではない。 それは、次の優希堂悟(主人公)の推測を満足する必要があることと、同様の境遇の人間がもう一人必要なことによる。
なんでオレやこころは、α肉体の目を通した光景を一度も目撃したことがないんだ?
自由に歩き回ったり、物に触れたり、何かを食べたり、音を耳にしたり、匂いを嗅いだり・・・。
そういったことがまったくできなかったのはどうしてなんだろう・・・。
まるでα肉体なんて存在しなかったかのように、オレの記憶はそのときを飛び越えて、スフィアから避難小屋へと直接繋がっている。
実に不可解極まりない。
これが2番目の謎だ。
αが普通に意識のある人間ならば、サトル達が「α肉体の目を通した光景」を目撃しているはずである。 それを目撃していないと言うことは、αには通常の意識がないと言える。 以上のことから、αの正体は内海カーリーの胎内にいる双子の胎児と推測される。
地球の公転
厳密な科学考証をすると、地球の公転、太陽系の公転、銀河系の公転、銀河団の公転・・・等を考慮する必要があり、中点は地球から遥か遠くに位置している。 よって、穂樽日は中点ではない。 しかし、この程度の間違いはフィクションとして許容すべきレベルであろう。
役者不足?
「第3領域が穂樽日に存在する」という仮定は、その場所が青鷺島と朱倉岳の中点に存在するからだった。 とすると、Y軸曲げの原理説明から考えて、第3の人格を担う人物は、時間的にも両者の中点にいるはずである。
15日の最後の転移では、人格交換現象が起きていた。 ココロ編にて転移直後にスフィアで確認した午後10時20分(33分進んでいる)、サトル編にて転移直前に山小屋サークルで確認した時刻は午後10時52分。 よって、この転移が完了するのは、1月15日午後10時53分である。 Excelで計算すると、2011年1月15日午後10時53分と翌年同日同時刻の中点は、2011年7月17日午前10時53分となる。 よって、この時刻まで、第3の人格を担う人物は穂樽日にいなければならない。
しかし、内海カーリーは「退院できたのは、去年の7月16日」と言っている。 ということは、15日の午後の転移では、「第3領域」に第3の人格を担う人物がいないにも関わらず、人格交換が生じたことになる。 これは榎本尚哉が説明した人格交換の原理に反している。これは、一体、どういうことなのだろうか。
これは、穂樽日が、青鷺島と朱倉岳の距離の約0.14%相当分だけ朱倉岳寄りにあれば辻褄が合う。 というのも、青鷺島から朱倉岳までを1年相当の距離と考えて、半日相当分の距離だけ朱倉岳方向にずらした地点では、最終転移完了時刻が2011年7月16日午後10時53分となるからである。 ちょうど、その距離が約0.14%となる。 例えば、青鷺島と朱倉岳の距離が100kmならば、入院施設を僅か140mずらせば良い。
運動能力
第3の人格に関する優希堂悟(主人公)の推理がミスディレクションであるとは考え難い。 というのも、謎を解き明かすべき時期に達しているのに、この期に及んでプレイヤーにミスディレクションを仕掛けなければならない合理的理由がないからである。 また、ミスディレクションであるならば、それを修正する描写が必要になるが、そのような描写は見当たらない。 よって、第3の人格に関する優希堂悟(主人公)の推理は正しいと推測される。優希堂悟(主人公)の推理が正しいと仮定するなら、内海カーリーの「ひとりきりで閉じこめられていた」という証言から、消去法で、第3の人格の正体は確定する。
以上を踏まえて、次の第3の人格に関する疑問*1を見てもらいたい。
しっかし、個人的には穂樽日が半年前の7月にあると言うことには結構不満がある。榎本に飛びかかりめった刺しにしたこともカンパンを全て食い尽くしたこともこの出産前もしくは直後の子*2がしなければならないからだ。こころや悟はその精神の主が持つ能力に随分束縛を受けているのに、現にこころは左利きのため、右利きの悟に宿った際にも左腕を怪我しており書くことが困難なのにも関わらず、この赤子がナイフを手放さず刺しまくる行為に及び、離乳食期にも当然及んでいないにも関わらずカンパンを食える物と認識し全て平らげてしまった。何でも口に入れることはあり得るだろうけれど、食べると言う行為をきちんとできるのかねぇ。
せめてここが未来にあり、双子が2歳児程度であればその残忍さだって分別のなさだって理解できるだろうに、ここが出産前や直後の時点だと言うのならこの点において正直納得できない。オイラが思った時間がおかしいのかな。
以上は、確かに正論である。 運動能力が宿主の運動中枢に依存するのであれば、胎児にも人を殺すことは可能だろう。 しかし、運動能力が残留した意識に依存するなら、胎児は、人を殺すことはおろか、立ち上がることもままならない。 まして、歩いたり走ったりなどはあり得ない。 物を持つことも出来ないだろう。
具体的な描写を見れば、利き腕の設定等、運動能力は明らかに残留した意識に依存している。 この描写を元に推理すれば、第3の人格には、物を持つことができて、立って走ることができるくらいの運動能力が必要となる。 よって、運動能力条件に気付いた人は、その時点で、胎児や産まれたばかりの赤ん坊を第3の人格の候補から除外してしまう。
ところが、第3の人格の正体は、運動能力条件と逆行した結果となる。 運動能力条件と合致し、かつ、本編の描写とも一致するという条件では、未知の人物も含めて、第3の人格の正体に成り得る人は皆無だろう。 運動能力条件を満たす人物であれば、冬川こころや優希堂悟(主人公)が第3の肉体に憑依しているときの記憶がないことが説明できない。 運動能力条件を満たさなければ、殺人が実行不可能である。 誰が正体でも辻褄が合わないと言うことは、何処かで作者がミスを犯したとしか考えようがない。
第3の肉体に憑依しているときの記憶がないことについては、優希堂悟(主人公)が判断材料に使っているので、作者も気付いている設定である。 とすると、そこで間違いを冒したとは考え難い。 ということは、作者は、運動能力条件について、誤った知識に基づいて物語を描写しているのである。 これは、考察の基本原則の「明示されない技術設定」の専門知識と一般常識の境界線上、やや、一般常識側にハミ出している感がある。
常識の範疇と期待される知識について、作者が間違った認識を持っていると、そのことが作者の意図しないミスディレクションになってしまう。 そして、作者が意図しないのだから、それを取り消すような描写が挿入されることは期待できない。 読者を間違った方向に誘導しておきながら、最後まで、正解に引き戻すための回答を提示できないのだ。 結果として、正しい知識を持っている人ほど、正解から遠ざかることになる。 これは由々しき問題だろう。 とはいえ、作者のミスは、第3の人格の正体には影響しない。 何故なら、作者が何処でミスを犯したか明らかである以上、何が正解だったかも明らかだからである。 ただ、間違った知識のせいで読者が振り回されるという物語の構成に不備があるのであって、正解が覆っているわけではない。
ダビデとサウル
ダビデがアイツであることは、TIPS88に明記してあるから間違いない。 朝昇落サイトでは、サウルが優希堂悟のことであるとされている。
確かに、ユウキドウ計画失敗エンドを見る限りでは、優希堂悟(オリジナル)がアイツを憎んでいるように見える。 だから、サウルがダビデを憎む構図は、優希堂悟(オリジナル)がアイツを憎む構図に似ているとは言える。
しかし、もし、優希堂悟(オリジナル)がアイツに対する恨みを晴らそうと考えているなら、自らをサウルに例えるのは縁起が悪すぎる。 サウルは、ダビデを憎んで殺そうとしたが、失敗して悲劇的な最後を迎えているのだ。 不退転の決意を表すなら、逆境を跳ね返した英雄に例えないだろうか。 ということで、サウル=優希堂悟は、正しいのかもしれないが、やや、違和感が残る。
人格交換
涼蔭穂鳥と犬伏景子の間に人格交換現象があったことは、TIPS108に書いてある。
ネズミ殺害犯
朝昇落サイトのとおり、ネズミに毒を盛ったのは、榎本尚哉である。
- チーズに掛けられていた薬品はMAO阻害剤
- MAO阻害剤は地下の秘密の部屋にあった
- 殺害時点で秘密の小部屋に入れたのは榎本尚哉だけ
MAO阻害剤が他にもあった・・・ということでなければ、状況から見て、犯人は榎本尚哉しかあり得ない。
バスルームの殺人鬼
朝昇落サイトのとおり、バスルームで、優希堂悟を溺死させたのは、第3人格の犬伏景子である。
- スフィア側には、この時点で、優希堂悟を殺す動機を持った者が居ない
- 監視カメラに犬伏景子が映っている
- 犯行当時、犬伏景子肉体も優希堂悟肉体も第3人格
以上のことから、消去法で、犯人は、第3人格の犬伏景子以外にあり得ない。
停電時の殺人鬼
朝昇落サイトのとおり、刃物を持った人影は、第3の人格の犬伏景子である。 ただし、優希堂悟に怪我を負わせたのは第3の人格の優希堂悟である。
この時点でも、スフィア側には、優希堂悟を殺す動機を持った者が居ないので、消去法で、優希堂悟に刃物を向ける人間は、第3の人格の犬伏景子以外にあり得ない。 刃物を持った人物に殺意がない限り、刃物を降ろすなり一声掛けるなどして、揉み合いを事前に制することができる。 揉み合いを回避しなかったのは、殺意があったから・・・と考えるには、優希堂悟を殺す動機が見当たらない。 とすると、揉み合いを回避出来ない理由は別にあると考えるのが自然だろう。 この時、自分の置かれた状況が理解できない人物は、犬伏景子と優希堂悟(主人公)だけである。 とすると、刃物を持った人影は犬伏景子であり、直前の状況を知らず、かつ、暗闇の中で状況把握が遅れたため、急に襲いかかれてとっさに抵抗したのだと考えられる。
この場合、刃物を持った人影が返り血を浴びていないことが謎となる。 ココロ編でも、サトル編でも、優希堂悟肉体は、スフィアに転移した時、既に、左腕を怪我していた。 どちらの編でも、優希堂悟肉体が傷つけられるシーンは直接目撃していない。 ということは、優希堂悟肉体が傷つけられたのは、第3の人格のときである。 以上を踏まえて、次の質問に答えてもらいたい。
- 優希堂悟肉体を傷つけたのは刃物を持った人影か?
- 人影が持っていた刃物が凶器か?
これまで分かっている事実関係からは正解は不明である。 どちらもイエスだと、刃物を持った人影は返り血を浴びていないとおかしい。 しかし、どちらもノーなら、刃物を持った人影は返り血を浴びていなくても不思議ではない。 刃物を持った人影が返り血を浴びていない事実から、辻褄の合うように推理すると、どちらもノーであると考えられる。
スフィア内では自分たちで食事を作っている。 ということは、キッチンには包丁くらいあるはずである。そして、キッチンに複数の包丁があることは、決して、珍しいことではない。 つまり、スフィア内に複数の凶器が存在し得るのであり、第3の人格の優希堂悟が別の凶器で自傷した・・・ということは十分にあり得る。
食事で優希堂悟が死ぬ?
優希堂悟(主人公)は冬川こころにスフィアで物を食べるなと警告した。 そして、その警告を無視して冬川こころが食事をすると、優希堂悟は死んでしまう。 この理由は、朝昇落サイトのとおり、食事後48時間以内のMAO阻害剤の服用が原因である。
3日目夜、内海カーリーから、聞いた話は次のとおり。
- チラミンが体内にある状態でMAO阻害剤を服用するのは危険
- チラミンは人間の体内では作られないが、様々な食品に含まれている
- MAO阻害剤を服用しなければ、体内のチラミンは48時間で完全に分解される
よって、最後に食事をしてから48時間経過していれば、MAO阻害剤を服用しても安全。 仮に、誰かが、MAO阻害剤を使って優希堂悟を殺そうとしても、その前の48時間絶食していれば大丈夫。 言い替えると、MAO阻害剤を飲まされた時、48時間以内に何かチラミン含有物を食べていたらアウト。 5日目、優希堂悟は、MAO阻害剤とDMTを飲まされたから、48時間以内の食事の有無が生死を左右する。
絡み合いの量子
EPRペアが示唆することは、朝昇落サイトのとおりであろう。
以下、オープニングのテキスト。
「同一軸により生じた双子は、不思議な運命を共有する」
「失われた半身を求めて、どこまでもどこまでも追い続ける」
「光を超えて−。無限を超えて−。」
以下、ココロ編エピローグの描写。
悟は、私にとって不可分の存在。
わかつことのできない、双子のような運命共同体。
いずれも、「双子のような運命共同体」をEPRペアに準えているようないないような。
回想の少女
優希堂沙也香が、回想の少女であることは、TIPS110に明言されているので疑う余地がない。
テラバイトディスク
テラバイトディスクのデータを書き込んだのは、情報を知りうる立場と動機を考えれば、朝昇落サイトのとおり、優希堂悟(オリジナル)と榎本尚哉と楠田ゆにしか居ない。
遠い異国の夢
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